昨日から2017年の後半になった。朝9時半、iPhoneに年輩の友人からの着信があって、今日鎌倉で正午から会食があるので夕方、時間があれば会えないかという用件だった。あいにく夜は横浜へライブを聴きに行く予定になっている。でも会えれば嬉しいので、解放されたら電話を掛けて欲しいと答えた。お茶する時間があればそれでよし、午後4時半以降なら一緒に横須賀線に乗って横浜までの30分、話が出来ればいい。
それから2時間ほどiMacに向かい、本の骨格とも言うべき台割作りと少しの原稿書き。パソコンよりも手紙のほうが早いが。デザイナーにメール添付で送るため、ワープロアプリで台割を書いていくしかない。
毎月朔日は午後の2時から寺の例大祭がある。檀信徒ではないものの可能な限りお勤めをするようにしている。心の中庸や思考のバランスを保つには、仏の教えだとか自然の声に耳を傾けるのが自分には望ましい。自然については家の周りは山と森なので日々「草木国土悉皆成仏」の思いを持てる環境だし、そもそも家がお寺の敷地内にあって毎日読経の声を聞ける恵まれた環境にある。意図してここに住んでいるとは言え、うまく出来ているもんだ。
約1時間のお勤め後、説話がある。今日から後半が始まった、と冒頭記したのは、その枕をただ真似ただけだ。正月、7月、12月は、とりわけ感謝の念を持つのがいいとされているとのこと。7月は日々のルーティンで仏の教えが忘れがちになるそうだ。
いったん部屋に戻って、iPhoneの着信音をiTunesに入れた曲から新たに2曲を選んで作った。映画「ブレードランナー」のメイン曲と、パーシャクラブの「七月節」。
午後4時を過ぎた頃合いに友人から電話が入る。「これから瑞泉寺を出る」。
タクシーだと15分から20分ってところか。
やはり喫茶店でのんびりと話す時間的余裕はない。
ライブの行き支度をして家を出た。
駅の改札口前で10分ほど待ったところで彼が到着。
事情を話して、一緒に次の湘南新宿ラインに乗ることにする。
話の冒頭は、過日、電話での会話でも出た映画『沈黙(サイレント)』と遠藤周作の話題で、横浜駅に着くまで延々、信仰について語り合った。途中、信仰とは畢竟、自己を含む人類愛なのか自己を含まぬ人類愛なのかは判然としないものの、愛であると思ったのだが、恥ずかしい言葉なので話すのを控えた。
横浜駅で私は降り、根岸線に乗り換えて桜木町へ。
駅のアナウンスで「さくらぎちょう」と聞こえたところで、久しぶりに山崎まさよしを思い出す。「One more time,One more chance」の歌詞。
♪いつでも探しているよ
どこかに君の姿を
明け方の街 桜木町で
こんなところに来るはずないのに
この歌を聴いてせつなくなったところに、深夜山崎まさよしを追ったドキュメンタリー
でも彼の生きる姿勢に共感して、桜木町イコール、一時期山崎まさよしが住んだ街というイメージになったのだった。もともと桜木町は私も青春を過ごした街でもあったので、彼の自伝まで買って追憶した。
それにしても、いかがわしい街だな。
駅前の松屋で牛丼を食べ、まだ時間的余裕が30分ちょっとあったので、関内方向へと散歩したのだが、大岡川を渡って野毛町を見ると、部外の人間にはとてもじゃないが入れそうにない飲み屋が並んでいるし、関内に続く道をさらに歩くと、「李さんの台所」「釜山港」といった韓国料理屋だとか、誘蛾灯のような電飾のソープランドが数軒あるし、派手なメイクのロシア人女性が連れ立って歩いてるし、出勤途上の体型が挑発的な「お姉さん」とすれ違うし、私より20センチ以上背の高いアフリカ系男性が手に小さなビニール袋を持ってるしで、歌舞伎町よりも上だと見た(笑)。
ライブは19時から。
吉野さんのライブを初めて聞いて42年が過ぎた。彼は一生唄い続けるだろうから、もし私があと8年後にも生きていたら、半世紀にわたって聴き続けることになる。この単位、凄くないですか?
私はまったくのあがり性ではないのだが、吉野さんのそばにいるときは緊張する。大学に入った時、彼は既に横浜では知られたスーパースターで、レコードも2枚か3枚出していた。私が大学1年、彼は5年生。大学2年時に寮へ行ったら、まだ先輩はいたので、何年で卒業したのだろう?
初めて聞いた「かたち」という曲に感動した。前半後半の休み時間にそっと尋ねてみたら、まだCDには収められていなかった。歌詞が難解で聞いたそばから抜けていくのだが、壮大なイメージが展開するような内容だった。「この歌、20分くらいの長くてシンフォニックな曲だと、さらに私、酔ってしまいます」と先輩に伝えたら、「よくわかるね、今日のはショートバージョンで、本当はもっと長い曲なんだ」と言われて驚く。案外と第一印象って当たるものだ。
夜9時、桜木町の駅に戻り、帰路につく。
大岡川から立ち上るどぶ臭い風が吹き抜けた感じがする。
こんな臭気だってそのときの私には悪くなかった。
今日は昼を過ぎて晴れた。
朝から掃除をし、雑用なども一つひとつ片づけていった。
昼ごはん前、10センチの正方形で厚さ7ミリの杉板でコースターを作ってみることにした。先週、ラズリの散歩で週に3回は通る道沿いにある自然素材のリフォーム店でもらってきたものだ。店の前に「ご自由にお持ちください」と書かれた木の切れ端が詰め込まれた段ボールがしばしば置かれていて、その杉板を手に取ったら、その場でアップルのロゴ(リンゴマーク)を切り出してコースターにしたら楽しくなる、と思ったのだった。
で、糸ノコを使って実際やってみたら、曲線ばかりなのでまったく上手く切ることが出来ない。リンゴのロゴを印刷して板に貼り付け、輪郭に沿って切る。手先が器用な人ならなんでもないことだろうが、私には難度の高い技だった。
小さなものなのに、30分くらいかかった。切り過ぎてカタチがいびつになるし、切り口も汚い。一応小刀で切り口を少し滑らかにはしたが、切り過ぎはどうにもならない。まあいいか、これで。
おもて面に木製用つや出しラッカーを塗って、1時間ほど太陽に当てて乾かした。
うーん、アップルのロゴには見えるが、やっぱり雑な出来だ。
ラズリの背中にコースターを置いてみた。背中が広いので、よけい小っちゃく見える。
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