mixiユーザー(id:6486105)

2016年01月16日20:38

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痛みと事故に寄り添って

 前に一度、チャップリンの『独裁者』エンディングのスピーチをYouTubeで見たことがあった。昨夜遅くになってもまだ止血が続いていたので意気消沈、お手軽に元気づけしてくれる動画でも見ようと考え、思い出したのが『独裁者』だった。
 検索していちばん上にある動画を見始めたのだが(https://www.youtube.com/watch?v=biAAmqaMCvo)フルHDのせいか、ときどき途切れる。無線LANの親機は自室から最も遠いところにあるため受信スピードが出ない。仕方なく2番目にある動画に替えた。こちらは画質が悪い分、スムーズだった(https://www.youtube.com/watch?v=RzTmkoR6mMQ)。

われわれ人類は物を創造する力がある、幸せを生み出す力がある
われわれは自由でビューティフルな人生を送ることができる。人生は素晴らしきアドベンチャーなのだ。
You the people have the power, the power to create machines, the power to create happiness.
You the people have the power to make life free and beautiful, to make this life a wonderful adventure.
 (中略)
「どんなことがあっても絶望してはいけない」
"Do not despair".

 ヒットラーに苦しむ人類に向かってチャップリンは魂のこもった叫びを繰り返していたのだが、演説内容はいまの時代にも十分受け容れられる主張だった。
 いいタイミングで聞くことができた、としばし感動に耽っていたら、私のYouTube設定から関連動画が流れ出してきた。
 スティーブ・ジョブズのリード大学名誉卒業記念スピーチだった。Macintoshユーザーならほとんどが知っているジョブズ真髄の人生論だ。



 既に2度3度と拝聴していたが、敬意を表したくて今日も最後まで聴いた。
 自伝にも載っていたが、スピーチの英文がネットにあるだろうから、訳してみたくなった。出来れば、きれいなノートに肉筆で。
 2つのスピーチを聞いてから眠剤を服んで消灯。たぶん普段より効き目が早くて10分くらいで眠れた。
 
 今日は……、絲山秋子の『ラジ&ピース』を読了。読了ったって文庫で150ページ足らずの長さなので、1時間ちょっとで読み終えることができる。
 絲山が高崎在住ということもあって、この小説を強いてジャンル分けすると本邦初の「群馬小説」と言うことができる。語り口が軽いため、すらすら読める。が、真ん中あたりの一箇所で思考が中断してしまった。関越の上里SAが出てきた箇所だ。
 スキーツアーの事故をつい思い起こしてしまう。
 事故の詳細が明らかになるにつれ、いたましさが自分のなかで増してきて、泣きたくなるような心境だった。たぶん自分の体調なんかも関係があるのだろう。健気にテレビ局の取材に応じていた学生に好感を抱いたからだろう。若者がいちどきに亡くなる唐突さが不条理だからだろう。
 夕方、テレビのニュースで、事故を起こした65歳の運転手の顔を見て、怪訝な気持ちが湧いた。おそらくはバス会社が用意した証明写真なのだろうが、生気の乏しい表情を見て、この人はどういう暮らしをしていたのだろう、というような想像をした。もう一人、事故当時は運転していなかったドライバーがいて、奥さんがインタビューに応じていた、ということは、この65歳のドライバーは独り身だったのだろうか。65歳というのは年金を受給している年齢だ。大型バスの運転手としては高齢の域にある。当日の夜、彼はどんな夕飯をとったのだろう。眠気覚ましに珈琲でも飲んだのだろうか。昨年12月に採用されたということだが、どれくらい元気で、どれくらいボケてなかったのだろう? 動体視力が衰える年齢にもかかわらず真夜中の運転は怖くないのだろうか。
 顔を見て思い始めると、亡くなった学生然り、ドライバー然り。社会学的想像力(@ミルズ)が働いてしまい、なおいっそう、胸が痛む。
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