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2015年04月09日21:44

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私、桐谷さん?

 コンサートの招待状をいただいたお礼の手紙を書くのに、結局、2時間近くを要した。まず音楽家がプロデュースし作曲を手がけた『連作歌曲智恵子抄』のCDをあらためて聴き、自分の考えをまとめた上で、敬意を表す。小中学生の頃に課せられた読書感想文のほうが、よほど簡単だ。
 午後2時半にあがって、投函しがてら自転車に乗る。別件でクロネコヤマトの配送センターへ行って宅急便、そして郵便局へ行きポストに礼状を投函。次に銀行でお金をおろし、本屋へ。そしてスーパーに行って買い物。自転車でちょこまか走っていると、自分が(ちらっとテレビで見て笑えた、株主優待券で生活する初老のおっさん)桐谷さんになったような気がして、自分でつっこんでおきながら憮然とする始末。前カゴのある自転車はいけませんなぁ。しかし、宅急便に荷物を出しに行く時や買い物には便利。桐谷美玲だったら生まれ変わってベッドの上でニャーと男に囁いてみたい気もするが。
 晩ご飯にシラスを食べる。
 いつ頃からシラスが上等になった。
 小さな頃、シラスは頭から尻尾まで全部食べる食品ということで、しばしば卓上に上がった。子どもの私は副菜にしらすが出るたび、しらす以外にどんな魚介類が混じっているのか楽しみだった。タコやイカの赤ちゃんがいたり、タツノオトシゴのミイラみたいなものまで紛れ込んでいることがあった。しらすはカタクチイワシの幼魚を指すのだが、それ以外の魚の幼魚も結構見かけた。
 が、時代が経つにつれて、だんだんと「異物」は見なくなった。出荷前の商品管理が厳正になってきたおかげだろう。もはやどんなに大きなしらすのパックを買っても、タコの赤ちゃんなど絶対に見られることはない。
 しらすに限らず野菜や肉でも、品質は劇的に向上した。昭和40年代くらいまでは、曲がった野菜、一部に傷のある果物はごく当たり前だったし、肉でも骨が混入していたり、臭いがきつい青魚なども普通に店頭で見かけた。私は清潔症候群で賞味期限切れにも弱いので、品質向上の趨勢に異論はないものの、疑問は残る。
 海中を網ですくって上げられたしらすのなかには、さまざまな生物が存在している。生食で供するのならともかく、ここまで神経質に異物を取り除かなくてもいいのでは? 大学入試は厳しいに越したことがないが、しらすごときでここまで品質管理を厳しくする必要があるのか、と思う。で、入試はAOだ、面接だ、とどんどんゆるくなり、食材はまるで工業製品のように厳しい基準となっている。自分が「それ、違うやろ?」というのはますます違う方向へ進み、「それくらい許したろ?」と思っていることがミス一つ許されないようになってきた。その意味で、昭和の親と日教組は間違ったことばっかだった(苦笑)。ともかく半干しくらいのしらすって清々しい白が見た目をそそるし、味も淡泊にしてうっすらと塩味がベースにあって美味しいんだよなぁ……、と結論はこれかよ。
 
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