mixiユーザー(id:6486105)

2015年04月01日21:56

276 view

トンボ鉛筆

 今日は朝、ラズリの散歩をさっさと済ませ、10時に近所の書店へ行く。目的は全国限定1万本で売り出される特製トンボ鉛筆を手に入れることだ。鎌倉での販売は近所の書店だけで、10日ほど前、店の中2階にある文房具売場に掲示されていたポスターで知った。一人2本以内で配布数は100本、当日売りのみで先着順。
 私の人生はトンボ鉛筆抜きには語れない。小学校の入学当時、一般的な鉛筆は三菱鉛筆とトンボ鉛筆がしのぎをけずっていて、やや三菱のほうがメジャーだった。三菱が巨人、トンボが阪神と喩えるとわかりやすい。三菱は「9800」という黒基調の鉛筆が小学生の間では定番で、私立に通う小学生のなかには高級な「ユニ」を持っている子がいるというウワサが流布していた。が、そもそも私立に行ってた子どもは学校区内に一人もおらず、真偽の確かめようがなかったのも事実だ。それはさておき、物心がついたころからうちではなぜか鉛筆と言えばトンボ鉛筆「8900」で、緑の鉛筆だった。「9800」も「8900」も1本10円、書道教室で分けてもらう硬筆用鉛筆は太さも芯も一回り大きくて30円だった。文房具は小遣いのなかから払わなくてもいいので、三菱からハイユニが新発売になったとき母親に「鉛筆の書き味がいいと勉強をやる気にもなるってもんや」と頼んで買ってもらったのが、もっとも贅沢な思い出として私の心に刻まれている。あ、しまった、「トンボ鉛筆愛」の話だった。高校時代、消しゴムは高価にもかかわらずトンボから出ている「MONO」を使っていた。MONOは人生の失敗を消すことだってできる、というCMで一世を風靡したので、受験生やダメサラリーマンのお父さんは一斉に一個10円の消しゴムから50円のMONOに替えた時代だった。
 ああ、トンボ鉛筆を語り出すとどうしてさまざまな記憶が蘇ってくるのだろう。
 10時10分前に書店へ行くと、長蛇の列ができていた。じぇじぇ、買えるかどうかぎりぎりだ。トンボ鉛筆は業界の「阪神」ゆえ、こんなに人気あるとはつゆ知らず。
 10時ジャストに入り口ドアが開くと店内は押すな押すなの状況となった。
 こちらにお並びください、と店内放送があるのだが、こちらがどちらなのか客がわかるわけないだろう、と文句を言いたくなったが、鉛筆好きというのは焼き肉好きと違って気性がおとなしい性格の人が多いらしく、「こちらとは文具売り場なんでしょうねぇ」「マイクを持っているのは去年入ったユミちゃんという短大卒の子なんだよ〜」なんてのんびりした会話が聞こえてくる。
 で、やっぱ中2階の文具売り場のレジ前に並んだら、途中から「一人でも多くのお客様に買ってもらいたいので、お一人様1本でお願いいたします」というアナウンスがふたたびあった。鉛筆マニアというのはお祭り好きと違ってよく言うと控えめ、悪く言うと消極的な人が多いらしく、誰一人文句を言う者がいない。
 ともかく無事、トンボ鉛筆100周年記念の特製鉛筆を手に入れた。羽があるのがどうにも持ちにくい、書きにくい。
 説明書には以下のような注意書きがあった。
◯ご使用の際は羽と脚にお気をつけください。誤って折られても交換には応じかねます。
◯電動鉛筆削りの使用はお避けください
◯眉を描くのに使わないでください。
◯大学センター試験のマークシート問題には不適当な鉛筆です。
◯女子の背中を鉛筆の先で突くと、場合によっては処罰の対象となります。
◯本製品を池や小川に投げ込んでもヤゴは生まれません。 
 せっかく手に入れた鉛筆だ。大事に使いたい。
3 18

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年04月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930