今日、三鷹市美術ギャラリーへ「高島野十郎展」を見に行った。
http://www.mitaka.jpn.org/calender/gallery/069.php
今日が初日。
実は、というか、またしてもなのだが、私はこの画家の名を知らなかった。ただ、写真の絵『蝋燭』を広告で見、ネットで久世光彦氏の寄稿を読んだら、もう俄然行きたくなって早速行って来たのだ。
↓久世光彦の寄稿
http://www.asahi.com/event/TKY200605180263.html
それにしても、ここ「三鷹市美術ギャラリー」の企画はなかなか良い。
以前「詩人の目〜大岡信のコレクション展」の日記を書いたけど、それもここのギャラリーの展覧会。
↓その時の日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=126331474&owner_id=2083345
高島野十郎と言う人はなかなか変った人で、帝大水産学科を首席で卒業したにもかかわらず、独学で画家になり、しかもどこの会派にも属さず、生涯写実を追求したという。
パンフには「画壇と全く無縁になる事が小生の研究と精進です」という彼の言葉が紹介されているが、実際会場で見たのは、これは誰かにあてた書簡で、この言葉の前に、「他人の図録やらを送ってくれても見ないから無駄、どこそこの西洋画家が展覧会をやっているから見に行けと誘っても無駄、自分は他人の作品など参考にしない・・」というようなことが書いてあるのだ。つまり「人は人、自分は自分、だから放っといて」という手紙で、これには笑ってしまった。パンフの引用だけ読むと、何かのインタビューに答えたもののよう。これでは解らないですよね。
さて、展示。
最初は岸田劉生に影響を受けた頃の自画像が並べられ、高島野十郎という人がどんな人物かをイメージさせてくれる。
その後、渡欧した頃の風景画や明らかにゴッホに影響を受けただろう絵が紹介され、スタイル確立後の彼の写実に徹底した作品が続く。静物画は緊迫感があって良いが、風景画はあまりに写実的すぎて、かえって稚拙な感じがした。
ちょっと期待はずれかなと思った頃、入った展示室は太陽を描いた作品群。太陽の光で前景の木々が逆光でシルエットになる。不思議な世界だ。
次の部屋が月だけを描いた作品【写真左】。引き込まれそうな感覚。
そして最後の部屋が、『蝋燭』の連作10点【写真右】。
この部屋だけは照明がスポットで、絵10点のみに照明が当てられ、まるで蝋燭の灯に照らされているようだった。炎が本当に揺らめいて生きているようだった。炎のか細く安定しない僅かな光。静かでいて、緊迫している。蝋燭の炎を描ききろうと凝視する画家が息を止める瞬間をこの絵に感じる。
太陽、月、蝋燭。この画家は光りと闇の狭間を描きたくて、ずっと目を凝らしていたんじゃないか、と、ふと思った。
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