貝殻を耳にあてれば昼の波 あなたのあくびまだ揺れている #短歌
生き延びた朝のコーヒー苦すぎて昨日の「好き」はまだ喉にある #短歌
深海で会えた気がして目が覚めた 夢はいつでも少し残酷 #短歌
誰かの温度も忘れてしまったな雨に沈んだ金属の椅子 #短歌
塩なんて1つで十分だったのに3つあるから迷ってしまう #短歌
清潔は汚れてゆくという運命 白は時間を飼っている色 #短歌
きれいだと言われ続ける怖さから指は世界に触れてしまった #短歌
生きてれば汚れることもありますね それでも爪はちゃんと伸びます #短歌
剥がれそうな夏を指先でなぞる アスファルトの熱が耳に届くまで #短歌
息継ぎを忘れてしまう夢を見た きみは海寄り静かな生き物 #短歌
揺れが止むまでの間 あなたのことだけをきれいに忘れる練習をする #短歌
有明は人間が作った場所だからなんか安心する 嘘がないよね #短歌
幸福は意外と狭い売り場にある 塩が3種類しかない国 #短歌
君が渡す季節を食べる そうやってふたりの時間は重なってゆく #短歌
水を飲むたびに世界は静かになり きみの留守まで透きとおってる #短歌
パチンと音を立てて季節は切り取られ少しだけ身軽になる午後 #短歌
透明な魚の骨を抱くように祈りは部屋の隅から育つ #短歌
きみがいてそれだけだった六畳をまだ片付ける気にはなれない #短歌
付箋紙を一枚はがす音だけが午後の光にやさしく響く #短歌
駅の入口何度過ぎてもまた同じ 君を探してさまよう夢よ #短歌
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