誰にも言えないほどじゃないけれど少し言いにくい本当ってある #短歌
かたすぎるマフィン包む静けさを夜のポケットにしまって帰る #短歌
電子レンジの灯りが照らす小宇宙 孤独の質量測るみたいに #短歌
成長の途中であるということをぴよぴよだけが正確に言う #短歌
既読にも未読にもない落下点 花びらだけが先に到着 #短歌
送信を取り消せるなら取り消すか たぶん悩んでまた押すだろう #短歌
あじさいの色へとほどけてゆくような雨のひかりを肩で受け取る #短歌
なぜ右からなのか説明できないかそういうことが人を支えてる #短歌
カレンダー真っ白なまま走り出す 終わりの見えない恋を信じて #短歌
何者かになれるはずだった僕たちは誰のせいでもなく錆びてゆく #短歌
この部屋の出口が壁に飲み込まれ永遠に続く産声だけが反響している #短歌
星屑を1つずつ床に落としてゆく この長い長い夜の終わりのために #短歌
いつまで続くのこの透明な地獄は ねえ誰か電気を消して それともつけて#短歌
絶望の連鎖をぼくらは組み立てて紙の不在を証明し合う #短歌
ジャングルジムにしようか それとも裏の滑り台?砂浜で笑う夏 #短歌
「全部君の傘にすればいいのに」なんて適当なことを言ってはしゃいでる #短歌
装備したばかりのこの勇気 全てを使い果たしてもいいと思う程に #短歌
改札を抜けてもずっと湿ってる 昨日のような誰かの不在 #短歌
死を説く言葉が水となりゆく この駅の汚れたタイル踏みしめて歩く #短歌
ただしく古びゆく鉄の冷たさを引き受けながら夜の鍵を回す #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する