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2026年08月09日23:21

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8/5  ルーシー・リー展ー東西をつなぐ優美のうつわー@東京都庭園美術館

いつだったか新美術館で展覧会があった時に行きそびれてしまったので、行きたかった。ろくろ引きの薄くて口の広がった器の形が、朝鮮の井戸茶碗にどこか似ていて好きだなぁと思ったことと、吸い込まれそうな鮮やかな青色が気になっていたので。
友達を誘った。ランチは港区郷土歴史館の中のカフェ、以前も彼女とここに来たんだった。期間限定で、この日は山形県長井市の食材とコラボ。美味しかったよ。話したいことは山ほどあるけれど、今日も展覧会が目的。美術館友達は希少なんだ。
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庭園美術館はこの日「フラットデー(ベビーアワー)」一般の人も入場できるが、お子さん連れ、ベビーカー入場優先で入場者数を制限しているとか。たまたまこの日に当たってしまったのだけれど、通常より随分と空いている。ベビーカーもちらほらあり、時々赤ちゃんがぐずる声も聞こえてきたが気にならない程度で、シルバーデー(行ったことはないが)よりもはるかに快適(かな)

展示は、ルーシー・リーの作品以外にも、育った環境にあったウィーン工房の作品や、リーが敬愛したバーナード・リーチたち、それからリーの最高の理解者で作陶のパートナーとなったハンス・コパーの作品も展示されていた。

アール・デコ様式の旧朝香宮邸装飾にリーの器がどう呼応するかな?とその点も注目だったのだけれど、かつてあったラリック展の時のように、作品がテーブルウエアとなって溶け込むことはなく、ひとつひとつが屹立していたことが印象的だったし、とても気持ちの良いところであった。朝香宮夫妻が1925年に行ったアール・デコ博覧会にリーも出品していたという縁もあるそうだが。

所々に展示してあるリーの写真、特に新館に飾ってあった晩年の写真がとても良かったので、撮影者を調べたらサム・ハスキンズという南アフリカ出身の人気写真家だった。
展示の撮影は一部を除いて多くが可

アルバムあります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121462111&owner_id=2083345

https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/lucie-rie/
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20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リー(1902-1995)。オーストリアのウィーンで生まれたルーシー・リーは、ウィーン工芸美術学校で轆轤(ろくろ)を用いた制作に魅了され、陶芸の道へと進みました。作家としての地位を確立しながらも、1938年に戦争で亡命を余儀なくされると、作陶の場をイギリスのロンドンへ移します。ろくろから生み出される優雅なフォルム、象嵌や掻き落とし技法による独創的な文様、そして釉薬によって生み出される豊かな色彩など、彼女の作品がもつ繊細さと凛とした佇まいは、多くの人々を魅了し続けています。
国内では約10年ぶりの回顧展となる本展では、ウィーンで出会ったヨーゼフ・ホフマンや、ロンドン時代に知り合ったバーナード・リーチ、ハンス・コパーなど、リーと交流のあった作家たちの作品をあわせて展示し、日本を中心とした東洋のやきものとの関係性も見直します。制作初期から円熟期まで、リーが出会った場所、もの、人、時代背景を交えながら作品を紐解くことで、その造形の源泉や作品に表された信念に迫る展覧会です。

第1章 ウィーンに生まれて
第2章 ロンドンでの出会い
第3章 東洋との出会い
第4章 自らのスタイルへー陶芸家ルーシー・リーー


大広間にたった一つの作品のためのケースが用意されていた。
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1980年頃につくられた《青釉鉢》
東洋陶磁器ではコバルトを用いた藍色の「青花」が最も美しい青系の色だが、この色はその歴史の中で全くない色だ。あえていうなら「景泰藍(七宝焼)」にある色に近い。リーは釉薬の調合にそれはそれはこだわり、研究と実験を重ねたそうだが、リーにしか出せない色なのだろう。
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うっかりピントを外してしまったが、縁のブロンズ釉の垂れ具合もなんという美しさ、そしてブロンズの釉薬なんて初めて見たと思うが、東洋人にとっては金継ぎで見慣れているせいか、違和感は全く感じられない。

ところで、出品の多くが「井内コレクション」である、はて、どこかで聞いたことがあるような…なんと先ごろ西洋美術館に見た「北斎 富嶽三十六景」が井内コレクションではなかったか。浮世絵に、現代陶芸、幅広く収集しているのね。

閑話休題。リーはウィーンのユダヤ人家庭に生まれる。当時ウィーンは、クリムトのウィーン分離派、ヨーゼフ・ホフマンのウィーン工房など新しい芸術が盛んであった。

ヨーゼフ・ホフマンと上野リチの共同作品のリキュール・グラス。
上野リチは三菱一号館美術館で回顧展を見たが、そうだったウィーン工房にいたんだったね。
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こちらが、リーがウィーン工芸美術学校を卒業した頃の作品。可愛らしい。
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大客室から大食堂へ。人を入れないで写真が撮れたのは初めてかも。
リーの代表的な作品が並ぶ。
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マンガン釉の文鉢
二酸化マンガンを用いて様々な効果のある釉薬を作り出した。ブロンズ釉も二酸化マンガンに銅を加えたもの。
見込みや胴に放射線状に引かれた細い線は全てフリーハンド。無になって線を引く?
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酸化クロムでピンク色の線条を象嵌で施している鉢
焼成前の素地を刀や針で彫り、その窪みに素地とは異なる色の顔料を埋め込む。素地は白釉だか暖色系の白(写真よりもっと白っぽかった)で、象嵌された線も赤紫系のピンクで微妙な味わい。
細い高台に対して大きく開いた口、その口縁部もろくろの回転の揺らぎで少し傾きや歪みがあって、器全体がそよいでいる感じがする。
この形は、リーの作陶の特徴で、リーの器はどれも「そよいでいて」、気持ちよい眠気を誘う。
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溶岩釉の鉢と花器
リー独自の釉薬で、大小の気泡の痕跡を表面に残すそ質感から溶岩釉と呼ぶ。分厚く柔らかい質感は温もりを感じさせる。ちょっと志野焼にも似た感じ。
淡いピンク色とグレーが縞をなしているのは、色の異なる土を重ねてろくろで成形する「練り込み」という技法を使っているため。
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喫煙室では、リーが制作を始めた同時代のバウハウスの作品を展示。そして2階へ。
ここでも初めて人が入らない状態で写真が撮れた(珍しい〜)
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ユダヤ人だったリーは1938年ナチの迫害を恐れてロンドンに亡命、一緒に亡命した夫とは亡命2年後に離婚。苦難の道スタートだね。なんとここで、敬愛する陶芸家バーナード・リーチに酷評される。「薄すぎる」「人間味がない」と言われるのだけれど、相手が悪かったと思うよ。バーナード・リーチは濱田庄司らとともに民藝運動を推奨した陶芸家で、伝統的な民藝の重厚さ、力強さを重視して、それが絶対であったのだ。
バーナード・リーチの作品↓私は好きじゃなけどね。
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で、模索時代のリーの作品。晩年には、リーチもリーの才能を認め作品を称賛したらしいが。
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第二次世界大戦が始まり、作陶はいよいよ困難になり、リーはファション業界からの依頼で陶製ボタンを作って生計を立てる。このボタンは今人気らしいが、この時小さなボタを作ることによって釉薬の調合研究ができたらしい、さすが。
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この時弟子入りしたハンス・コパーにリーは助けられたんだと思う。コパー自身もドイツ在住のユダヤ系だったためイギリスに亡命していた。コパー自身は彫刻家を目指していたが作陶の腕をメキメキと上げ、リーはその才能の開花の手助けした。一方、コパーはリーチにこき下ろされたリーの作風を高く評価し、応援し続けたという。コパーがいなかったら、リーは自ら信じるところの美意識に従って作陶を続けられたかどうか。15歳も年下のコパーとの間に恋愛関係はなかったようだが、こういうパートナーって素敵だな。
新館に共同で製作したコーヒー・セットがあり、二人のイニシャルが入っているらしい。
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コパーの作品も多数展示。コパーの作品は、ろくろで引いた複数のパーツを組み合わせた彫刻作品のようで、リーとは全然違うが、二人とも泥臭いリーチの作品一線を画す、モダンで洗練された作風と言える。


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自然光が入る庭園美術館本館で見る作品はやっぱりよかった。
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浴室に溶岩釉の肌を持つ器もなぜかマッチ
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釉薬の表面に現れる微小の穴を「ピンホール」といい、粘土に空気や有機物が混入してできてしまうのだが、こういうものも装飾の一つとして取り入れる。
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これは象嵌だろうか。ろくろを引きながら線を入れていくのだろうが、レンブラントの版画をふと思い出した。ドライポイントという技法は線を引いたときにめくれる金属のカス(まくれ・バー)にインクが絡むことで生まれる、独特のやわらかいにじみや温かみのある表現が特徴だと知った。この線にもところどころに「インク溜まり」のような箇所があってそれがまた表情を作っている。
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いろいろな技法を組み合わせたモダンな作品。「掻き落とし」という技法は1950年代以降よく用いたそうだが、中国陶磁器を勉強した時に知った技法だ。「素地の上に化粧土や異なる色の泥を塗り、それを削り取って模様を浮かび上がらせる装飾技法」で磁州窯で多用されていたっけ。
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新館では、東洋からの影響にも注目しながら、最後に、リースタイル確立の晩年の作品がずらり。妄想お持ち帰りを決められぬまま解散。

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アルバムあります。


https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121462111&owner_id=2083345

9月13日まで


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