来週の予定をぜんぶ黒く塗りだれも僕らの明日を呼ばない #短歌
しるされた夜の記憶がまだ熱い あなたの嘘をなぞる指先 #短歌
白い紙 インクが深く染み込んでわたしの奥の闇が疼くよ #短歌
ファミリーマートの裏で割り振る責任の誰も僕らの傷を見ないで #短歌
やわらかいお肉のなかに閉じ込めた秘密をあげる特別だから #短歌
てのひらにのこるつめたさ さよならをいうためだけにひかりを透かす #短歌
エンドロールが静かに終わるそのあとの3分間だけ僕は救われる #短歌
加熱時間5分30秒(なお容器の底は未だ冷たい)#短歌
「終わらないね」って笑うあなたの首筋に乾かぬ愛の痕を残すよ #短歌
そのゆびさきで静かにめくる便箋の白い余白にひかりがたまる #短歌
続いてゆく日々のなかあなたのシャツの乾いた白をそっと撫でてる #短歌
その一回のログをサーバーから消去したのに夢に出るバグ #短歌
半分に引き裂かれたわたしの奥底にあなたの重い爪を立ててよ #短歌
「安全です」と3回言ってから押すスイッチのプラスチックの白 #短歌
誰もいない遊園地の回るだけの椅子に雨が降り出している #短歌
その人の名前を誰も呼ばなくなってからひらく窓のあかるさ #
あなたの胸に硬いボタンに触れながら殺意のように愛されている #短歌
ショーケースに並ぶいちごのタルトへとむきだしの牙を隠して並ぶ #短歌
どろどろの黒いインクが流れ込む わたしの奥の一番あつい場所 #短歌
やわらかな皮膚の記憶を焦がすようなあなたの毒に触れていたいの #短歌
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