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2026年07月13日16:43

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7/8 元禄!師宣劇場 十二ヶ月風俗図巻大公開【前期】@静嘉堂@丸の内

雑事に追われてずっと日記をかけないでいたが、かの有名な菱川師宣《見返り美人図》の展示が6月27日〜7月12日の短期間だったので、行ってきた。
東博所蔵のこの作品、もちろん初見ではないが、今回が見納めかな。確か修復後見るのは初めて?
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菱川師宣といえば、浮世絵の始祖、その人のこんな有名な作品が重文にもなっていないなんて。浮世絵は下に見られていたからなぁ、、、いや違う、《歌舞伎図屏風》は重文指定になっているじゃない。《見返り美人》は「切手」で有名になりすぎちゃったんだろうね。



よく見ると完全に見返ってはいない。顔は真横顔だ。そのおかげで、元禄当時大流行した「玉結びの」髪型が良くわかるのだ。元結、簪(かんざし)、笄(こうがい)の位置とかも。

ホワイエには、衣装が飾ってあった。なんとインクジェットプリントで再現したものだって。今の技術ってすごい。
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師宣は、縫箔師(ぬいはくし)という着物に刺繍や金銀箔を施す職人であったこともあり、細部まで技法がわかるほどリアルに描く。振袖には、紅色の光沢ある地に、小花模様の地紋が織り出され、大輪の菊と桜の「花の丸模様」が鹿の子絞りや絹糸、金糸の刺繍、金箔などで表現。
帯は緑色の地に破れ輪繋ぎ文を刺繍。結び手が左右に長く垂れた「吉弥結び」は、人気女形・上村吉弥に因んだもので、帯が垂れるように鉛の重しが縫い付けてあるそうだ。
この後、屏風や図巻に描かれた人々をたくさん見たのだが、一人として同じものを着た人はおらず、全ての人の衣が色鮮やかに丹念に描かれていた。色柄違いではあるけれど、「花の丸模様」が多く、流行の程が窺える。なるほど、師宣ゆえのこだわりはここにあったか。

展示のメインは静嘉堂文庫所蔵の《十二ヶ月風俗図巻》前後期で半年ずつ展示。これのみ撮影可。他にも前後期入れ替え作品がいくつかある。
師宣以降「菱川派」って聞かないよね?という疑問に展示が答えてくれて、いろいろスッキリ。なにより浮世絵の始祖が江戸中後期に再評価され元禄ブームが起こったことはあまり知らなかった。上方を中心とした華やかな元禄文化を堪能。

https://www.seikado.or.jp/exhibition/current_exhibition/
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「見返り美人図」で有名な浮世絵師・菱川師宣(?〜1694)は、庶民が主役の庶民のための憂き世 (浮世)の絵を描いて絶大な人気を博した浮世絵の始祖。江戸の二大悪所である芝居町や遊里を紹介 した墨摺りの版画、絵本、芝居番付などはもちろん、華やかな色彩で人間模様を活写した肉筆画も多 数残しています。当館所蔵の絹本着色「十二ヶ月風俗図巻」二巻は、雛祭りや端午の節句、花見、藤 見での酒宴で酩酊する人、盆踊りで踊り狂う人々など、師宣が創りだした江戸文化の華ともいうべき 元禄イメージが展開し、まるでお芝居を見ているようです。豪華な仕立て、上質な画絹に絵具をふん だんに用いた本作は、高貴な人からの特別注文と考えられる優品です。 本展ではこうした象徴的なイメージを創りあげ、江戸時代の人々を熱狂させた師宣の肉筆画の名品 を中心に、元禄の絵師・英一蝶(1652〜1724)、そして師宣を継承した宮川長春(1682〜1752)ら宮 川派の系譜をたどりつつ、江戸後期の師宣リバイバルまで、師宣画とその系譜をたどります。


序幕:主役は庶民!師宣前史から元禄期の絵画

まずは近世初期風俗画から、師宣の源流をさぐる。

《四条河原遊楽図屏風》江戸時代 寛永期(1624〜44)ごろ 二曲一双
画面中央に鴨川が流れ、「女歌舞伎」の芝居小屋がある。三味線弾きの椅子の背もたれには虎と豹の毛皮。芝居小屋の周りには「ヤマアラシ」や「大女」の見世物や犬の曲芸がある。鄙俗だが楽しくおおらかな庶民の娯楽。
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師宣同時代の絵師として、英一蝶と尾形光琳を紹介。

英一蝶《朝暾曳馬図》
英一蝶は師宣を師とし、生涯慕ったという。英一蝶の風俗画も生き生きとして活気とユーモアに満ち楽しくて好きだ。
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第一幕:十二ヶ月風俗図巻 *写真撮影可 前期展示は1月〜6月まで
風俗画の始祖と言われた岩佐又兵衛のような執拗な描き込みはないが、大変緻密に、華やかに描かれている。英一蝶のような諧謔さはあまりないが、上品で穏やかな笑みを誘う。
「やまと絵師」「日本絵師」を自称した通り、元禄やまと絵の決定版と言える作品。発色の良い高価な絵具、裏彩色、立派な装丁、高貴な人の注文品とされる。これは残り半分も見てみたくなった…

若君中心のお正月。
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門付き芸の「万歳(まんざい)」が正月を寿ぐ
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二月は稲荷神社へ初午詣。
イケメン若衆に振り向く女たち?
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三月、武家では上巳の節句に、駕籠に人形を乗せて届ける。
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幔幕が張られた内側での楽しい宴。この構図は師宣から、らしい。
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四月、藤花の宴。無理やり宴に引き込む人
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大黒頭巾はお大尽
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五月、男の子に山伏の格好をさせるのも、
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石合戦(印地打・いんじうち)をするのも端午の節句の風習だそう。知らなかった。
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六月は舟遊び。
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左の猪牙舟には花火師、花火をあげているんだ
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第二幕:菱川、宮川の流れー屏風絵に見る

菱川師宣《歌舞伎図屏風》六曲一双(画像は右隻)
かなり大きな屏風。右隻は芝居小屋前の賑わいから始まり、舞台では「太平楽おおおどり」。左隻は楽屋裏と役者が客をもてなす芝居茶屋。
《十二ヶ月風俗図巻》四月藤下宴で、引き込まれる客がいたが、ここにも登場。
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ここで唐突に、景徳鎮窯《色絵桜花酒宴図盤》
なぜ中国清朝の皿?と思ったら、これは伊万里の写しとのこと、つまり師宣イメージの元禄遊興の図が中国まで伝わっていたということらしい。幔幕を張った内側では宴もたけなわ。
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このほか、師宣の版本や弟子の古山師重(もろしげ)・師継(もろつぐ)などの作品を紹介。
絵入りの板本で、絵師の名前を入れたのは師宣が初めてとのこと。版本において挿絵のウエイトが重くなった証拠、まさに浮世絵師の始祖だ。


大詰:元禄リバイバル
師宣に直接連なる「菱川派」は、師宣の長男・師房(もろふさ)が一時継いだが、やがて元々の家業である紺屋に戻ったそうで、菱川派は途絶える。しかし「菱川派」の画風は、中期には宮川長春をはじめとする「宮川派」へと受け継がれた。

宮川長春《美人図》江戸時代 正徳〜享保期(1711〜36)ごろ
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宮川長春《形見の駒図》江戸時代 正徳〜享保期(1711〜36)ごろ
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さらに時は下り、江戸後期の文化文政期には、戯作者で浮世絵師の山東京伝が師宣を再評価。師宣ブームが起こって、元禄風風俗の女が再び絵画の世界に登場する。

鈴木其一《雪月花三美人図》江戸時代 文政期(1818〜30)ごろ
見返り美人のような艶やかな三女性は、江戸後期の人たちの目を釘付けにしたことだろう。
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時代は巡り、ファッションは繰り返される。

8月23日まで(前期は7月26日まで)
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