氷水 言葉を薄め夏になる 息してたこと忘れないまま #短歌
祝辞などすべて泡(あぶく)となって消え僕らは静かな水槽になる #短歌
指先でまちがえながら甘くなる 夏は完成をまだ教えない #短歌
あと何度夏をほどいて桃の皮 言葉をしまい未来を食べる #短歌
母と娘 どっちも私 母の日はカーネーションが気持ちを揺らす #短歌
甘さだけ胸の奥まで開いてて、まだ言葉ない夏がはじまる #短歌
(注:飛ぶ等の基本的な動作を含みます)不可能なリストの更新 #短歌
まぶた閉じても窓のひかりは残ってて雨の記憶だけ静かにひらく #短歌
「若さ」という期限の切れたチケットを握りしめてる夜の改札 #短歌
サイダーの泡の静かな爆発を書き留めている 今すごく小説家ぽい #短歌
窓に降る雨の白さや気休めの痛み止めしか持たぬ指先 #短歌
握るほど確かな不在が増えてゆく 帰路の名だけ置き去りにして #短歌
なんかいいって言えるくらいがちょうどよく夜の線路はきれいすぎるね #短歌
あしたね あまいいちごを買うんだよ ふたりで甘くなるまで待とう #短歌
ごめんねが形にならず浮かんでてひらがなだけが先に眠った #短歌
貼りつけた夜が剥がれてゆく度に理由ではないなにかが鳴っている #短歌
コンクリートの裂け目に溜まる雨水が星より先に濁りはじめる #短歌
傘のなかすこし寄り添う影ふたつ 生きてるほうへ雨をよせあう #短歌
なお夢における「キス」の有効期限は起床とともに失効(リセット)#短歌
罪は白 洗面器に溜まった雨水のただの静寂を運ぶ #短歌
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