こぼれないようにやさしくて話したらぬくもりだけが手に残りました #短歌
剥がすとき不意に呼吸が。僕たちは内側にやわらかな肺を飼う #短歌
ひとつだけ咲いたことさえ奇跡だと思えばふたついらない気がする #短歌
飲み込めよ 手放したっておまえの肺は一生塩水が残る #短歌
まだだよねはじまらないでいてほしい ノートのなかで朝をねかせる #短歌
※なお弾きたい音と鳴る音の誤差(±3Hz)についての暫定報告 #短歌
干渉のない青だけが続いてる初夏の空が深度を増して #短歌
ぴかぴかのインクの海でデートしよ!わたしたち文字になっちゃえば無敵 #短歌
逆光の駅舎にひとり 貰ったポケットティッシュで分かる生息地 #短歌
吐き出したあとの静寂 洗面台の白さが少しずつわたしを削る #短歌
葬儀あと口座を閉じる手つきまで夏の始まりみたいに見えた #短歌
もうないねって言いながらさがしてる ひかりのあとがまだあった気が #短歌
期限切れクーポンしずかに重なってもうだれも触れない墓地になる #短歌
ねえそれさ手だけさわってるってことかな ゆびだけぽかぽかしてるんだけど #短歌
瞼の裏の残像 僕たちはずっと体温だけが足りないままで #短歌
(笑)って打ってから消すまでのこの数秒だけ愛しているよ #短歌
その場だけ借りていたような輪郭を帰すみたいに夜が終わった #短歌
ほどけてく夜の隙間に置く指が言わないことを触ってくれる #短歌
笑顔だけ切り取られてる構造に裏面という逃げ場を持たす #短歌
こんなにも上手に生きているのにさ宴が終わると消えてしまうね #短歌
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