モリッシーはまだ生きてるらしい その喉に薔薇の棘を刺す夜更け #短歌
貼られないままの付箋がふくらんでまぶたの裏で栞が揺れる #短歌
不確かな記憶のほうが正確で踏切の音 規定する夜 #短歌
どっちでもよかったはずの選択をあとから全部正解にする #短歌
折りたたむやさしさだけを連れてきて今日を静かにしまっておく #短歌
傘はないという選択の透明さ 雨と身体が同時に触れる #短歌
ひらがなで濡れていくよな歩幅して傘のかわりに空をかぶるの #短歌
光へすこし傾くそのたびにやわらかくなるからだの地図 #短歌
手のひらに受けきれなかった静けさをこぼれたままでやさしく置いて #短歌
飲みきればよかったのかもって思う でもそのままでも朝は来る #短歌
裏側を確かめるたび知ってゆく笑顔は少し軽くできてる #短歌
思い出させてやるなよ 今はもう下水に溶けるだけの泥なのに #短歌
拭き残す水のひかりが揺れていて今日のかたちをまだ拒んでる #短歌
ちょうどいいがどこにも見つからなくて少し多めにきみを思った #短歌
ポケットに入りきらないぶんだけを適量として持ち歩いてる #短歌
静けさを少しずつ手にあつめつつ消えたあとにも灯りを残す #短歌
ここにあるはずの言葉がまだ遠い 触れた順から軽くなる夜 #短歌
消え際の声を集めてかたちづく灯りはまだ名を持たないまま #短歌
深夜二時のドン・キホーテの駐車場 ライターの火が照らすサンダル #短歌
洗面台に落ちたうぶ毛 僕たちはずっと他人になれないままで #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する