つづくとはやさしさに似た遠さなり 湯気のひかりにひとり溶けてく #短歌
これってほんとに消えないのかなって 線にしてから少し不安だ #短歌
結びなおす理由をまだ持てないのはやさしい夜に背を押されてる #短歌
なんでかなちょっとだけ残しちゃったのは朝が来たからまあいいかって #短歌
胸の奥でまだほどけないままの炎 風のかたちで揺れているだけ #短歌
閉じられた音の余韻に触れながら内と外への境をなぞる #短歌
仮止めのテープみたいなやさしさでまだ確かめず隣に置いて #短歌
洗濯ばさみってけっこう頑張るよね空までつなぐ役目なんてさ #短歌
こぼれないよう持つグラスの内側でやわらかくなる時間を見てる #短歌
夜の底にあずけた声を拾わずにあたらしい息だけで立ちあがる #短歌
ゆらぐたびこぼれそうになる言葉でもさよならだけは決めたままで #短歌
一日の最後に句点打つように少し強めに息を置いてみる #短歌
まばたきのあいだに落ちる水の音 同じではないことを抱いたまま #短歌
テーブルに置いたまんまの沈黙がスタンプみたいに夜を増やして #短歌
フルーツ牛乳ってちょっと特別だよね なんでもない日を許す感じで #短歌
同じ棚に並べられてるグラスにもそれぞれ違う水の記憶が #短歌
まばたきのひとつでひらくやさしさを芽のぬくもりにそっとあずける #短歌
ゆっくりと揺れをほどいていくように手から手へと海を手放す #短歌
もう見えないのに甘かった気がするね あれってどこに残るんだろう #短歌
のぼらないままの高さを持て余し梯子はそっと空へ預ける #短歌
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