mixiユーザー(id:8077411)

2026年03月27日18:40

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短歌

飛ぶ前の羽のほうがきれいだと思ってしまう夜もあるんだ #短歌



だれもまだ知らない皿のぬくもりで台所だけやさしくしてる #短歌



座るたび椅子の深さが変わる夜 あとから来たと影と並んだ #短歌



だれもまだ触れていない沈默がコップの水を少し揺らした #短歌



夜ふかしの棚にひとつの影としてぼくの静止画そっと並んだ #短歌



だれもまだ拾っていない夜があり光だけ少し先に歩いた #短歌



こぼれ火を拾うみたいに指ひらき夜の机で明日をさがす #短歌



理由ってたぶんあとから追いついてきみの掌だけ先に熱いよ #短歌



湯けむりにほどける肩のぬくもりを月より先に抱いてしまった #短歌



机にはまだ置き場ある気がしてる 来ない通知のための明るさ #短歌



言葉よりやわらかい土さわってる 芽の眠りにも順番がある #短歌




消印のない夕暮れを折りたたみことばの外へ歩いて帰る #短歌



消しゴムの雪を机にあつめたら字のくしゃみまで聞こえそうだね #短歌



それ春だよって誰か言った気がしてる 舌の先だけもう知っている #短歌



朝というだれのものでもない光 先延ばしごと湯気にしてゆく #短歌



置かれた声まだ言葉にはならなくて名の重さだけ空気に触れる #短歌



指先にまだ冬の名が残りいて春を呼ぶ字をそっと書き足す #短歌



カーテンをひらけばすぐに朝が来て知らない顔で今日が始まる #短歌



こぼれない夜をすこしだけ掬って影の温度を机に置いた #短歌



消えないでそこにいてくれと思うとき闇の輪郭だけがやさしい #短歌


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