地球ならきっと大丈夫って顔でタオルが空をまだ見てるよね #短歌
冗談でぼくらのための透明なラベルみたいでまだ貼らないで #短歌
やわらかなひかりの芽を包むよう まだ渡さない春を抱いてる ラベル #短歌
世界には終わりがあると知った夜 プリンの甘さやけにリアルだ #短歌
岸があり水もあるのに届かない その距離だけがぼくの光だ #短歌
選ばれぬぼくのかわりに雲だけがきちんと空を通過してゆく #短歌
氷鳴る予定の隅でひそやかに甘さばかりがかたちを変える #短歌
ぼくたちは言葉のかわりに金属を鳴らして重さ確かめている #短歌
沈黙の深さに触れてはじめてのかたちが内でひらきはじめる #短歌
ぼくらには理由もなくて笑う午後 ソーダの泡が重量を消す #短歌
ただいまと言った瞬間世界では炭酸みたいに今日が弾ける #短歌
捨てられた頁の白を背に受けて砂の温度で歩きはじめる #短歌
子どもってストロー一本くぐるだけで季節まるごと飲み干しちゃうね #短歌
水際の線を離れて立つときに選びし影が遠く透けゆく #短歌
人生はどれかひとつに決めろって言うけど多分ぜんぶ途中だ #短歌
投函の音ひとつだけ夕に落ち 返事のるない日そっと増えてく #短歌
触れぬまま錆びぬままなる金具あり 梯子は静かに空だけ見てる #短歌
欠けた円 その隙間から午後の青 追わぬ呼吸が胸をひらいて #短歌
わざわざのかたちをしてる包み紙ひらけばうすい春のにおいが #短歌
濁音を飲み込んだあと残るのはぼくがまだ人でいる証拠かも #短歌
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