ほどけた指のぬくもりをしまいこみひとりの形に戻っていくよ #短歌
行き先を言わないままのくちびるに夜だけそっと触れてほどける #短歌
ほどけないままの名前を抱きしめてやさしい檻に鍵をかけてる #短歌
灯りだけ残るホームの端に立ち 行き先のない影をのばしてる #短歌
触れる手前でほどけた温度だけあなたのほうへ静かに返す #短歌
まだ開けていない空気の重さだけここにいること知らせてくれる #短歌
灯りだけ残るホームの端に立ち 行き先のない影をのばしてる #短歌
失ったあとの輪郭を見つめればわたしの空に近づいてゆく #短歌
行き先を持たない夜の片隅でわたしの影を拾いあげてる #短歌
ほんとうは意味の外側にあるままで薄さだけがわたしを守って #短歌
ハンガーのまま揺れている時間ごとわたしの外で季節が変わる #短歌
まだ湿ったままの記憶を踏まないで朝はゆっくり形を選ぶ #短歌
ふれそうでふれない距離の体温を名前にできず朝だけが来る #短歌
照らされたあとに残ったぬくもりを自分のものと呼んでみた夜 #短歌
閉じなかったドアの隙間の明るさに呼ばれないまま立ちつくしてる #短歌
消えないままで残った温度だけあなたの内で形を変える #短歌
句点を打たないままの帰り道 靴音だけが続いていった #短歌
飲み終えたあともずーっと捨てられず 手の中でまだあたたかかった #短歌
消しゴムをまだ使わない机の上 余白のほうが息をしている #短歌
触れたことない輪郭のその先ではじまりだけが息をしている #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する