掌のインクの跡で知る暮らし ノート開けば笑いがにじむ #短歌
乾いてる屋上の影伸びながら君の時間を見ていたい僕 #短歌
気づいたら総武線には揺られててどこでもよさそうな午後の気配 #短歌
夕暮れに群衆の影溶けてゆきカーソルだけがそこに残って #短歌
早かったよなかに聴いた音楽にまばらな雨のひかりが混じる #短歌
海に撒く骨を思えばベランダの光が強く君は笑った #短歌
振り返るたびに滲んでいくようで美しいまま閉じるアルバム #短歌
シャッターを切らずに残すものがある 抱き合うだけで満ちる夕暮れ #短歌
ペットボトルの水を振って陽は沈む ポエムおじさんだけが重たい #短歌
君の喉痛みは僕のものでなく暮れてく空に白く散る音 #短歌
牛乳屋 朝のごはんはみそしるで白い湯気から牛が立ち上がる #短歌
眠る金魚赤と白との影揺れて淡く重なる僕らの時間 #短歌
吐き出した息が白にもならぬまま季節をまたぐ君と歩いて #短歌
重さある束ねた鍵に触れながらまだ言えぬこときらめくように #短歌
まいにちを苦しいけれど楽しいと言える口ぶえ夜にひびかず #短歌
はぐれゆくシールののように夜をまた信用できずまどろみのなか #短歌
ごはんと珈琲シャツのボタン直せばよしそれ以外の雑務は鞄の奥へ #短歌
踏切があなるたびごと夏ひらく「暮らしました」を君と結びて #短歌
ひらひらと嘘は蝶にも似て飛んで本当になるその日を待てり #短歌
化粧する横顔のまま朝が来る 時計の針に触れぬ指先 #短歌
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