点と線つづけて送るまばたきに気づいた者は恋に撃たれる #短歌
夏のドア 掌にまで夏がいる その重さごと時を閉ざせり #短歌
階段を降りゆく声は並のごと渋谷に集う影のかずかず #短歌
もし風を撮れたとしたらあなたにも触れずに残す光のかたち #短歌
曇り空ならばきっとと思えた日 答えは白の中に潜んで #短歌
湯気ひとつ立たぬ厨房 中華屋の音のないまま夜は深まる #短歌
誰も見ず箪笥の裏の冷たさをギターの弦で確かめている #短歌
誰もいない部屋に沈んで枕吸うロックンロールの残響ひとつ #短歌
風呂敷の結び目ひとつほどけずに秘密を守る朝の台所 #短歌
二階から雨の匂いがすぐそこに 触れれば落ちるギターの弦よ #短歌
ここじゃない何処かに叫べば届くのか壊れた街をギターで蹴って #短歌
電波より確かなものはあるはずさ ギターの弦を今は信じろ #短歌
朝焼けを知らぬ顔して眺めればぼけた心に火がともされる #短歌
犬の写真荒れた粒子が胸を刺すピントの外に君が立ってた #短歌
だれかのものだとすぐにわかったのに雨は傘へと降りてきていた #短歌
玄関ではじまる前の夢を見て信じてみてもいい夜でした #短歌
この木にはマッチが光る実を結び夜ごとの空を燃やしてしまう #短歌
お菓子国 入口のような髪すじをわたしはそっと指でなぞった #短歌
さらさらと風の名前を口ずさむ子どもの夢は川に流れる #短歌
ねこたまむしいろに染まれば午後の窓 秘密の国へひらかれてゆく #短歌
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