舌の上とかすメロディあまくして言葉の屑が紙包みにいる #短歌
走り出すことばの先に花は散り赤ちゃんの手に季節とまどう #短歌
指先にチョコの匂いを残したらポッキーみたいにすぐ消えてゆく #短歌
池のうえだれより鯉になつかれてひかりをすくう手まで濡れてる #短歌
長すぎる余生を抱きステージの埃のなかで光を待ってる #短歌
街灯をすり抜けながら駆けてゆく誰にも見えぬ回送の夢 #短歌
まいったな僕より深く沈む人 笑いの底に影を隠して #短歌
臓器さえ残せるならと夜の机 カードの隅に影がひとつぶ #短歌
ひときれの魚を焼けばひらひらと過去の記憶が煙となりぬ #短歌
値札からこぼれた時間かかえつつ駅のベンチにおかれる私 #短歌
小さき鈴 砂糖水まぶしてころがれば祭りのあとに影ひとつ残る #短歌
上り下り舟人たちのしらべこそ夜の川面に星をちらして #短歌
いまもまだ冬彦さんと呼び 人にテレビの記憶 雪のよう積む #短歌
かがやきに包まれながらのぼる足 まだ見ぬ先に大人の影あり #短歌
財布からのぞく硬貨は足りなくてパスタの赤がやけにまぶしい #短歌
誰もいぬ車両のはしに転がりぬ空き缶だけが夜を語って #短歌
世界一可愛いなんて声にして窓のガラスにひろがる夜景 #短歌
学歴を登りつめても見下ろせばまだつづいてる無数の登山 #短歌
風が欠け眉の隙間を撫でていく 誰にも似ない顔でいたいよ #短歌
はや二月 竹野内豊の笑みひとつ踏み台昇降わたしを支え #短歌
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