ひかりにも負けぬ速さで荒川は奔放生卵青空をはこぶよ #短歌
少しくらい悩んでみればいいでしょう 窓のカーテンゆっくり揺れる #短歌
ひざの泥 舌でたしかめ起きあがる赤の広場に声ひびきだす #短歌
慣らされて気づけば小さく笑う癖 苦言の先に光はなくて #短歌
1巻だけ読んでとじたる指先につづきはなくてただ夜がある #短歌
高速の群れる車はただ黒く神の遊びのダンゴムシめく #短歌
会釈してためいきがさきもれていくその曖昧をきみは見ていた #短歌
ガラス越しショーケースにはきらめきと過ぎた時代の影が眠って #短歌
月餅の重さを笑いわけあえばひとりの声も軽くなれたか #短歌
革命に必要なもの買いにゆく リストの先に赤いペンあり #短歌
肉球を押すたびひかるその温度 言葉にできぬやさしさがある #短歌
ひとけなき天地書房の奥の壁 夢二の女が濡れてまどろむ #短歌
コーヒーの泡をとかしてまろやかに口の奥までひろがっている #短歌
触れた花 セロファン透けるそのときに色なき光 肩にふりそそぐ #短歌
横顔を見つめてばかり週末のニュースと天気ただ流れゆく #短歌
地球にははじめてつける靴の泥 少年の夢まだ透明に #短歌
胸焼けを抱えて歩く通学路すれ違う子に気づかれぬまま #短歌
箱買いのフリスク抱いて女また 自分の声をたしかめに来る #短歌
川面には欄干うつり ゆらぎつつ笑うわたしの顔は欠けてる #短歌
はじめてのおつかいなのにおさいふが折り紙だから雨にとけてく #短歌
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