忘れてもいいはずなのに夏の夜 ほしといっしょに揺れる思い出 #短歌
羅針盤ぜんぶ光になった夜 蛾が緑の灯に届いた #短歌
ひとさらのサーターアンダギーまだあつく空のひかりとおなじにおいす #短歌
すいすいと知らない名前持つ人がわたしの記憶よぎりて泳ぐ #短歌
かぶつりくあの夏の日のプールサイド しぶきのようにひとくちの音 #短歌
しずかなる艶消しの黒 残し足るずぶ濡れ記憶おもいだす夏 #短歌
よその皿私の前をすぎていく うしろ姿をおもいだすこと #短歌
できるって言われたここはさびしくてまだなれぬまま夏の灯をみる #短歌
サビだけがはやくひらけてしまうからまだ三鷹です 風を見ている #短歌
低い空 余白のなかに沈みゆきまだ形なき感情を置く #短歌
ゆるやかに時間ほどけずだけ残るバブのかけらを撫でる指さき #短歌
余熱とはアイロン台に残るもの わたしの掌にきみをのこして #短歌
浴衣の帯ちょっと曲がってたままでレモンの雪がふってる夜です #短歌
予備校の折り込み広告抱きしめて1人の夏を歩きはじめる #短歌
粉々にバブを放ちて夜の湯にほどける声をすくえぬままで #短歌
りんごめく眼をのこしたる おかっぱの子どものままに光かがやく #短歌
世界からわたしひとりを抜きとってババ抜きひとりカードをひらく #短歌
新築の匂いにまじりくしゃみしてほこりがひかる夜のあかりに #短歌
投げいれた水色ちらしまざりあい私のきもちもくしゃくしゃになる #短歌
惚れてよと呼んでみたけど福の神 返事のかわりにくしゃみがひとつ #短歌
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