ピンク色のシャツを選んだその理由 誰かに見られるつもりはなくて #短歌
初めからから当たりなんかは無いとしておまけのシールで夕方を貼る #短歌
おでこにはあなたの手だけの指定席 熱という名のゆるされる罠 #短歌
もしかして慰めてるのこの距離で?鈍器みたいな透明な声で #短歌
やさしさでもなければ怪物でもないものをいまみてやるという鼓動 #短歌
パスワードが違うと告げる機械音に母の旧姓をそっと打ち込む #短歌
誘いでも拒みでもないその途中 えくぼで返すのやめてほしいよ #短歌
転校初日の記憶は黒板のチョークより先に折れた声だけ #短歌
干物になる夢を見た朝 母の香水よりさきに鼻へくる魚 #短歌
太陽のあの目を避けてきみを見た どこにもまっすぐな瞳はない #短歌
食べられる順に並んで歌うなよ ぞうさんぞうさん都市がこわいよ #短歌
鑑にも映らぬ場所でまばたきをし俺を見ている黙ってる俺 #短歌
なめ猫に似てるこの子は笑わない 式の写真に風ばかり写る #短歌
参考にって言われたけれど無理だった あれは呼吸じゃなくて演奏 #短歌
割りきれぬ数字のままの饅頭が笑ってる 誰が食べても笑ってる #短歌
ひとすくいほどでよければあげるよと俺をすくったスプーンの先 #短歌
乳歯ってそうやって抜くの?って聞けずに私の言葉はずっとぐらぐら #短歌
振り向かぬ父とルーター更新中って回って夜が明けるよ #短歌
背中には誰かの手あり レジ横にいびつな形のやさしさ落ちる #短歌
きみはたしか転校生であったはず くつひもだけが二重になってる #短歌
ふかふかの耳がレーザーを殺すのでマウスパッドにはできないらしい #短歌
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