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2023年02月14日17:54

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ウクライナの子どもたちの絵(on valentine's day)

 2月14日、世間ではバレンタインデーらしい。
 午前10時半過ぎに隣町の大型スーパーへ食料の買い出し、今日はクルマで行った。正午前に帰宅し、郵便受けの中を覗いてみたら、小包のようなものがあった。
 それは塩原温泉の銘菓だった。店を営むご夫妻が娘の住む鎌倉へやって来て、わざわざうちに持ってきたようだ。屋号は「榮太郎」、絶品の柚子羊羹とクルミ最中が売りで、その2つをいただいたのだった。
 最初、娘が持って来たのだと考えた。なので、ハガキで礼状をしたため、書き終わるなり郵便局へ行って投函した。
 念のため、娘のLINEアドレスは知っているので、「羊羹をごちそうさま」とメッセしておいたら、どうも話が合っているようで合わない。まあいいか。
 礼状投函ののち、生涯学習センターのギャラリーへ「世界の子ども(ウクライナを含む)の絵画展」を見に行く。今週日曜放映の「日曜美術館」でこの展覧会を知ったのだが、元公民館のしょぼいギャラリーでの絵画展がNHKの全国区に取り上げられるというのは異例中の異例なので、たぶん見るに値するイベントだろうと受け取った。
 地下の巨大ギャラリーに入って度肝を抜かれた。中国、韓国、インド、バングラデシュ、ポーランド、エストニア、ロシア……書きだしたらキリがない。ウクライナの子どもたちが描いた絵は今回、別格扱いで、戦争前と戦争後の子どもたちの絵は別々のエリアで展示されていた。
 受付に知己のかたがいらっしゃったので、写真撮影可能かどうか訊いてみたら、「どんんどん撮って、この展覧会の宣伝をして」と言われたので、客が少ないこともあって気になった絵、玄人はだしの絵、そして侵攻後に描かれたウクライナの子どもたちの絵を片っ端から写真に収めた。
 これほどのコントラストというのは滅多にない。
 子どもが描くお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、ご近所さんの表情はたいていが笑っているか、無表情だ。が、描かれた人がことごとく涙を流しているのだ。それを一枚、また一枚と眺めているうちに、これはたいへんなことが起きて今も続いているのだ、というリアルを初めてのように知った。それは心の影だとか闇だとか、そのような文学的形容に収まらない暴力と悲劇であって、ある種の”異常””異状”である。下は8歳、上は14歳の少年少女が、泣いているおとなを描いているのだ。
 その場に立ち尽くした。なんてことだ。言葉にならない。
 中国の子どもとマレーシアの子どもとイランの子どもとミャンマーの子ども……のなかで、美術教師が手を加えたのではないかと疑われるほどに巧みな絵があって、展覧会本来の意図からすれば世界中の子どもの絵から人間の愛しさを学ぶ、というのが観覧する者の愉しさであろう。私も努めて「この子、上手いなあ」「民族衣装は綺麗だな」と受け止めようとして、ウクライナ以外の国の子どもたちの絵を眺めた。が、やはり心はざわついたまま収まらず、ふたたびウクライナ(戦争後)の展示エリアへ。
 こういう絵をちゃらいiPhoneで撮っていいものだろうか?
 私はその答えがわからない。

 自宅への帰り道、知人の天才舞踏家と偶然遇ったので、立ち話をした。昨年12月、彼から東京での舞踏公演案内をもらっていたので、会話そうそう「来週、行くねー」と口を開いたら、とても喜んでくれて、その顔を見てると自分まで喜ばしくなった。平和というのはこういう日常が限りなく続く、というのが大前提であって、個々人がどう振る舞うかを誰も阻害出来ぬもの、という日常を指す。
 10分強、彼と話し込んだのち、帰路にふたたびつく。
 うちに戻ったら、隣人からチョコレートをもらった。
 これ、来月にお返ししなきゃいけないのかな。もし旅行に出たらという前提なら、土産の一つでも買おうと思う。
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