昨日は結果的に一日、棒に振った。
九条の会では毎年、成人式会場前で憲法全文が掲載された小さな冊子と新成人へのメッセージを渡している。来年のメッセージは私が担当することになった。
今週いっぱいに書き上げ会員にccメールで添付、来週の定例会議で議論の末に決定するという運び。
まったくもって、自分に不向きな役目だ。私は大人の判で押したような紋切り型の説教というのが中学の頃から嫌いで嫌いで仕方なかった。どいつもこいつも教養をちらつかせながら当たり前のこと当たり前に上から目線で述べ、悦に入っている。役に立つ・立たない以前の次元で、大きなお世話だという反発心を覚えた。大人になったら次のようなことがわかった。たいていの人は理想と常識を語っているだけであって、逆に説教している本人に説教しなければいけなかったりする。
苦手なことを課せられると、結構しんどい。半日、いろいろと考えてみたのだが、さっぱり書けないのだ。3行くらい書いて眺めてみると、自分の中味のなさに愕然とする。私って相当の馬鹿だな、と思う。iMacは午前零時まで起ちあげっぱなしだったのだが、とうとう1行も書けず、寝る前はYouTube動画に逃避した。
今日になっても小一時間、ああでもないこうでもないと考え込んだ。こういう時は散歩するか、ラズリと遊ぶか、誰かにメールかはがきでも書いて気分を整える、という手がある。
で、マイミク作家さんに出さなくてもいいようなメールを自虐的に書いて、よし再開するぞと臨んでみたら、あっさりすらすらと書けた。昨日からの呻吟はいったい何だったのか。
書き終わるや否や、ほぼ読み返しもせずにcdで会員にメール添付で送付。30分ほど経ったら、肯定してくれるメールが一通届いたので、iMacの電源をいったんオフにした。
午後1時過ぎ、隣の藤沢市にある「iPhone救急便」という非Appleの修理屋に電話をした。iPhoneを2台使いしている。1台はシムが刺さっている生きたiPhone、もう1台は家の中のWi-Fiでネットニュースを見たりラジオ代わりに使ったりしているiPhoneで、後者のバッテリーがそろそろ寿命を迎え出している。こいつを再び元気にさせたくて、バッテリー交換をしてもらいたい。しかしAppleストアだと7千数百円と高額なので、もっと安くやってくれる街のスマホ修理屋に出したかった。
電話でバッテリーの在庫確認と予約をしたら、本日であれば午後4時で交換可能とのこと。
店舗の場所は、藤沢駅前の旧小田急デパート5階。
電車で行く。クルマで旧小田急デパートに行く。ブックオフの駐車場にクルマを置いてそこから30分歩いて行く。この3つの方法があって、私の場合は3番目(笑)。帰りにブックオフで本を買えば駐車料金はゼロ円だ。
徒歩30分というのは微妙な距離だろうが、鎌倉という街は不動産広告に堂々と徒歩30分というような記載があったりもする。
ブックオフに午後3時20分着。店内には入らずそのまま藤沢駅に向かう。
歩いているといろんな光景が目に入る。小さな農園とそのそばに掘っ立て小屋の販売所があったり、間口一間ほどのたこ焼き屋が出来ていたり、かつては大型のサイクルショップだったのがいまはダンススタジオに変わっていたり……。
3時45分、小田急着。まだ10分ほど時間があるので、Seriaに寄ってスニーカーの中敷き一枚を買った。
4時数分前、「iPhone救急便」着。丁寧な説明を受けたあと、iPhoneを預ける。5〜10分で交換出来るので、その前にあるテナント=「鯖江のメガネ」に行って、フレームあれこれを見るともなく見てから店へ。
「交換は終了しましたが、交換直後は画面がこのようにちらつくケースがあります」と言われたので、15分くらい預けて様子をチェックしてもらうことに。
1つ上の階に市民ギャラリーがあって、藤沢市民の美術展が開かれていた。仏像を彫るというサークルのコーナーには10数体の木彫り仏像が展示されていて、寺に祀られている仏像と遜色ない作品がいくつもある。見とれているうちに15分なんてあっと言う間に過ぎたので、ふたたびiPhone救急便へ。症状が治まったようなので、受け取って小田急をあとにした。
境川にかかる橋の上から海側を見ると、筆で掃いたようなあかね雲があった。よく目を凝らして見てみると、さらにその先には真っ赤な夕焼けがあった。
ブックオフの駐車場に戻り、店内へ。
100円棚の文庫1冊をチョイスしたところで、本日のお買い物は終了。
『エンドロール』鏑木蓮著、ハヤカワ文庫。かぶらぎ・れん、初めて目にする作家だ。
<映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、アパート管理のバイトをしていた。ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、遺品の8ミリフィルムを発見する。映っていたのは重いリヤカーを引きながらも、笑顔をたやさない行商の女性だった。門川は、映像を撮った帯屋に惹かれ彼の人生を辿り、孤独にみえた老人の波瀾の人生を知る。偶然の縁がもたらした温かな奇跡>
表4側の説明文を読んで、これは私に向けて書かれたような作品だ、と感じた。目利きのハヤカワ文庫だから水準もそこそこ高いに違いない。
こういう文庫を手にすると、先月末に行ったばかりなのにまた旅に出たくなる。小さなリュックにこの文庫1冊と手拭いと歯ブラシと下着1枚を入れ、狭いビジホに泊まりたい。
いや、もう年末じゃないか。そんなことをやっている場合じゃない。
帰り、鎌倉に向かってクルマを走らせていると、真正面に満月! ブラボー!
5分くらい視線をこころもち上げて月を観賞していた。
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