昨夜21時40分、天気予報でも見ようと思ってNHKのニュースウォッチ9を見た。週末の関東は晴れで気温は依然30度超えだとか。
そのままだらだらNHKニュースを見続け、「クローズアップ現代+」が始まったのでテレビを消そうとしたところ、「シリーズ 終わらない戦争�◆”�印された心の傷 “戦争神経症”兵士の追跡調査」というテーマ、つい最後まで見てしまった。
冒頭、衝撃的な映像が映し出される。両手両足が尋常じゃないほどにぶるぶると震える男、立っていることができずベッドに横たわっても痙攣しているのではないかと思えるほど、四肢が激しく揺れている。
見てはいけないものを見てしまった。しかし、テレビから目が外せない。
吉田裕の『日本軍兵士』を一昨年だったかに読んで、心が傷ついて死ぬまで精神疾患を抱え続けた元兵士が多いことは知っていたのだが、それでも実際の姿を見せられると衝撃以外の何ものでもない。「クロ現」ってタイムリーな時事ネタを深掘りする番組だと思っていたのだが、こういう歴史物もたまには扱うのだろうか?
深夜零時、番組のタイトルにもある「戦争神経症」でググッてみたら、中村江里一橋特任教授が『戦争とトラウマ』というタイトルで論文をまとめ、吉川弘文館から出ていることを知る。定価は5千円を超えていた。
今朝、鎌倉図書館で検索をかけたら、所蔵本にあるじゃないか。あらためて図書館で「戦争神経症」と検索をかけたら、岩波新書の『中国侵略の証言者たち』という本も刺さった。一昨日、図書館に行ったばかりだが、やむにやまれず図書館へ行くことにした。念のため、誰一人予約していないものの、予約を入れておいた。しかし、クロ現のような比較的多くの人が見ている番組で紹介されたにもかかわらず、予約されていないというのもなんだか不思議な気がする。鎌倉は文学青年ならぬ文学老人が異常に多く、たとえば朝日の書評欄で取り上げられた小説だとその日の午前10時には予約人数が10名から30名になっている。
午後3時、自転車で図書館へ。ペダルを漕ぐ力が失せるほどに暑かった。
『戦争とトラウマ』『中国侵略の証言者たち』の2冊を借りる。貸出票を見ると、9月1日から休館になるせいで返却日が10月3日になっている。これはラッキーだ。前者はまったくの学術書ゆえ、きちんと読もうとしたら10時間くらいかかりそうだから。
戦争神経症を発症した兵士に戻るが、悪乗りするヤンキー青年のごとく中国人の婦女子を残虐なカタチで殺害して、逆に頭がへんにならないという人の方が異常ではないかと私は思う。
戦争文学の第一人者・伊藤桂一の短編を読んでいたら、赤ん坊を空中に投げて銃剣でそれを受けて串刺し状態に至ったという場面や、村に急襲をかけて男全員を虐殺し残った女を丸裸にして兵舎まで行進させた小隊が出て来た。伊藤の描写がどこまで事実なのかはわからないものの、これに似た行為は枚挙にいとまがないことは明らかである。
私は中国嫌いで、真っ先にミャンマーの軍事政権やこのたびのアフガニスタン政権を支持するニュースを見てるとヘイト感が半端なく湧くのだが、他方、日本が戦後中国侵略に対して総括しないまま有耶無耶のうちに76年が過ぎたという一点だけで、中国政府を侮蔑する気が失せてしまう。中国に対する嫌悪感と同じ分量で日本政府に対する嫌悪感がある。
サヨクの人のなかには、私と同様のコンプレックスがある人がいるのではないだろうか。真っ当な戦争総括ができていないばっかりに、中国批判ができない。
ネトウヨというのは「歴史神経症」で、戦争の暗部をあぶり出すこの手の本を読むことが出来ない(そもそも日本語の読解力もない)。で、中韓とは全く関係ない記事でも、中国や韓国を得意げにディスって日本人としてのアイデンティティを高めたりしているのだが、こういう悪い癖は現代の日本人全体に、まるで新型コロナウィルスのように蔓延して20年が過ぎた。私は日本以外の国籍を取ることは出来ないし、日本以外に心穏やかで生きられそうな国もない。正統な日本人だと自分では思ってきたので、いつの間にかチンピラに乗っ取られたような気分である。
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