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2020年09月07日10:52

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様々な絵画ジャンルに求められるデッサンスキルの違い

様々な絵画ジャンルに求められるデッサンスキルの違い
 現状、いわゆる商業ベースの絵画でも、西洋絵画の古典的なデッサンスキルを学ぶ場合が多くなってきている。イラストや、漫画、アニメもそうだ。かつて、手塚治虫が、東京芸大で講演を行い、その中で、アニメの現状を語り、芸大の学生に、アニメ業界に来て欲しいと勧誘していたそうだ。主に、アニメの風景を描く仕事などのようだが、リアル系のアニメでは、バック、つまり風景の出来の良し悪しがアニメそのものの良し悪しに直結するところがあり、能力の高いアーティストがどうしても欲しかったようだ。その後、アニメ業界には、美大や芸大を卒業した学生が就職するようになったようだが、アニメの風景においては、しっかりしたパースを描写をしないと、作品として台無しになってしまうので、そういう意味でな、西洋絵画の基礎デッサンは必須と言えるだろう。これは漫画でも同じで、リアル系の漫画を描く漫画家は、優れた風景を描くアシスタントを欲しがっているし、当然必要だ。人物のデッサンが必要かどうかよりも、風景のデッサン力が必須だとは、意外に思うかもしれない。人物、キャラなどに関しては、必ずしも、西洋絵画の基礎デッサンスキルは、必要とはしない。もともと、アニメや漫画、特に日本のアニメや漫画は、人物を平面的に描くことが多く、立体描写を重視する西洋絵画とは、その方向性が違う。日本画や、浮世絵に近いだろうと思う。大胆な平面化は、日本のアニメの特徴でもある。人物を平面化し、風景描写で空間の広がりを表現する。ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、表現としての平面描写は、立体描写を行わない、という意味ではないということだ。空間の中に矛盾なく(違和感なく)存在し得る人物(キャラ)を描かなくてはいけないわけで、空間と馴染むフォルムは必要になる。人物が、立体的に見えるようには描かれてはいないが、立体的なフォルムにはなっているわけだ。これが、アニメや漫画の人物のフォルム描写の特徴。これを描けているかいないかで漫画家やアニメーターの力量が分かる。ありとあらゆる角度から見た人物(キャラ)を描けるどうかだ。ある一点から見たキャラしか描けない人は多いのではないだろうか。決まった方向からしかキャラを描けない場合は、プロになるのは難しい。どんなに上手く描けてもだ。漫画やアニメの表現として求められるのは、イラストのような止まった絵を描く能力ではないからだ。素人がする評価で勘違いしやすいのがここで、その人の最も得意な部分だけを見て評価する場合だ。斜めの顔は描けるが、横顔や真っ正面の顔が描けない、煽りが苦手、後ろから見た姿は描いたことがない、俯瞰はやめて、など、描けない、苦手にしている構図が、わんさかあったりするのだ。立体描写を念頭に入れている場合、角度による得手不得手は関係がない。どんな角度だろうが描くことになる。ベーシックな能力がある、というのは、こういうことだ。現代のアニメや漫画は、表現としては、平面であっても、空間認識能力は必要になる。平面的に表現しながら、空間を立体的に捉え、広がりのある世界観を描写する、なんてことは、高等テクニックで、はい、そうですか、とできるような類のものでもない。ただ、現代の漫画やアニメの代表的な作品は、このような描法が、何でもないように使われているので、そのレベルは、実は、とんでもないところに来ている、ということだろうと思う。
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