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2020年03月08日20:30

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女は男より偉い、犬は犬で偉い

 朝イチ、珈琲片手に朝刊(朝日)を開くと、1面トップの見出しは「女性役員ゼロ 自己責任?」という男女格差問題で、2面を見たら「ひと」欄を覗いて「ジェンダーギャップで過去最低の世界第121位(世界153カ国)に沈んだ」現状の解説だった。最終の社会面では夫婦別姓の記事が紙面の約半分を使って埋められていて、今日の朝日はいかにも朝日っぽい感(冷ややかな国家・国民批判)満載。これは私の偏った考えだが、自分の生きにくさは案外、この男女格差が今なお残る日本の伝統があるからだ、と常々思ってきた。
 小学校の高学年になった頃、私は「女子は総じておとなだ、自分と違ってしっかりしている」「女子は男子より頭がいいし、手先が器用だ」と思い始めた。それは成績が優秀な同級生が身近にいたからだが、喋り方にしても学校生活での落ち着き具合にしても、自分と較べるとなんとなく異次元な感じだった。鼻っ柱の強い私は当然のことながら、自分が幼稚であるとは思ってはいない。その女子は私と同じ書道塾に通っていたので、彼女の筆を近くで見る機会があって、先生が書いた模範の書に近かった。
 この「女子は男子より優秀」というのは中学に行っても同じで、徐々に自身のガキっぽさがわかってきたが、成績はともかく人間としての力では女子のほうが勝っているように思えた。わかりやすい例だが、ゲイはヘテロの人間に較べて芸術的なセンスが高い傾向にあるが、それと似ていて、一般男性は身近なだけに凡庸さがつきまとう。
 男性が女性より優れているのは、競争力とか腕力とか兵士のごとき目的達成力が高いこと。つまり資本主義的な社会では良かれと高評価されるもので、いずれも頭の良さとは違う能力だ。資本主義、というか過剰な市場原理主義では勝ち残るために必要な能力であろうが、マッチョ(思想的な)な人間が苦手な私は逆に「なんて幼稚な社会原理なの?」と思えてしまう。
 出版社にいても、男性より女性編集者のほうが感性的に優秀だ、ということもここに付記したい。日本がどんどん沈没していってるのは、人口の半分を占める女性が活用されにくい社会だからだ、と言いたい。脳細胞が8割くらい腐っている男性の老政治家が、国家運営に於ける8割以上の権力を有して国の舵取りをしている、って体制に明るい未来なんてあるかよ。
 ああ、落語の枕のつもりでこの話題を取り上げたら、日記がずいぶんと埋まってしまって、今日何をやったか、なんてことを書くのが面倒になってきた。
 今日の夕方は、マイミクさんでもある作家の、「犬と人の絆を温かな眼差しで描く五つの物語」を手に取ってみた。山岳救助隊と救助犬を主役にした小説からこぼれたネタを短編に活かした硬派作家の余技だろう、くらいの軽い気持で読み始めたら、まったく違っていた。申し訳ない。いまの時点ではまだ冒頭第一編しか読んでおりませんが、参りました。
 着想としては泉鏡花ばりの幻想小説だし、私小説に似せるも著者とはまったく別人格のフィクションだし、犬のふるまいを的確に表した動物小説とも言えるし、個人的に好きな「ダメ男小説」だし、文学の王道である「人間の再生」がテーマでもある。
 それにしても、この作品が書かれたのは2009年の夏だ。著者は前年に大きな文学賞をW受賞して勢いに乗っているところで、執筆の壁にぶち当たって、編集者からも見放されて、という苦難に陥った作家を巧みに描いていること自体が、私には驚きだった。
 夕ご飯の1時間前、雨の下、ラズリを連れて「大小」をさせるためだけに散歩に出た。寒かった。10分ちょっとの散歩で切り上げたが、傘をさした私はともかく、ラズリはどっぷりと濡れた。
 乾いたタオルで身体を拭いてあげながら、何度もラズリに抱きついた。
 今し方読んだ小説のせいだろう。
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