椎名林檎問題、さらに石井苗子問題は、自分にとって悩ましい問題である。
旭日旗のような背景のCDジャケットだったり、東京五輪に向けて一億総応援をすべきだと発言したり、安倍一派のお仲間だったりで、もはや戦時中の慰問団歌手的存在になってしまったのだが、私はデビュー当時からずっと彼女の歌が好きだった。今でも、あのいらっとする歌唱法と声と詩が好きで、時々聴くことがある。しかしウヨ臭のあるアーティストに接するということに心理的な抵抗があって、以前ほどのめり込めない。好きであるけど好ましくない、というアンビバレンツな感情はたぶんこの先も自身を納得させるに至らないだろう。
一昨年、知り合いの石井苗子さんが参議院議員になった。
選挙運動中、たまたま大井町駅前で彼女の選挙カーが走っているのに遭遇し、複雑な気分になった。維新の会から出ている。共産党でさえ私は不満を抱くほどに左の私としては、維新の会なんてもってのほかである。
石井さんは特殊とも思える聡明さを有し、チャーミングな努力家であり、オリジナリティ溢れる人間性で、尊敬出来る人だ。たった1冊の本しか担当しなかったが、不思議なことに上梓したあともよく連絡をいただき、そのたびに話をする関係だった。石井さんが男女間のスキャンダルに巻き込まれた最中、彼女が常宿にしていたホテルのティールームで話をし、会社に戻るべくホテルのエントランスを出た途端、週刊誌の記者が寄って来て「あなたが石井さんの男か?」と質問されるというハプニングもあった。
一昨日、石井さんから年賀状代わりの寒中見舞いをもらった。
私は元日に着くよう彼女に年賀状を出したのだが、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」から引いた一節を年賀状に印刷した。それにきちんと反応してくれたのは、石井さんたった一人で、なんだか愉快な気持ちになった。
彼女は公人だからプライバシーなんてあってないものだろう。
ここに写真を公開しておく。
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