mixiユーザー(id:6486105)

2017年07月19日21:32

96 view

届かなかった手紙

 昨夜、大学時代の友人から「ハガキが届いた、ありがとう」というケータイから送ったメールをもらった。なんか彼に物を送りたくなって、しばしの間、ソファーに寝っ転がって天井を見上げていたのだが、思いつくものではない、これまで好きな人にジャン・ジオノの『木を植えた人』を贈ってきたので、このたびも同様にする。Amazonで『木を植えた人』をクリックしてカートに入れ、初めての宛先だったからカードの番号を打ち直して注文確定。
 そのあと、明日(今日19日)が鎌倉の花火大会であることを知り、その時間は花火が打ち上がる音を聞きながら本でも読むか、と思った。未読の本を溜めている本棚があって、こういう花火大会の夜に読むにふさわしい本は……と見て、ナチスが台頭する時期のドイツ・ミュンヘンとアメリカ・サンフランシスコを往復する書簡小説『届かなかった手紙』(クレスマン・テイラー著)を選んだ。解説を入れてわずか100ページだから1時間弱で読める分量だ。この本をブックオフで見つけて買う気になったのは、帯に書かれた内容もさることながら解説が池内紀さんだったから。

 そして今、「鎌倉の夏、キンチョウの夏」の花火大会が終わり、『届かなかった手紙』も予定通り読み終わった。mixiを見たら、芥川賞直木賞の受賞作品決定というニュースがあった。
 あらま、芥川賞候補作の中で唯一、図書館の「文学界」でざっと目を通した沼田真佑さんが受賞。直木賞は佐藤正午で、最新作こそ読んでいないが、これまでほぼ読み続けてきた作家さんなので嬉しかったが、なんだか知る人ぞ知る佐藤正午、デビュー作から思い入れが出来た私だけの佐藤正午っていう偏屈な贔屓があるので、喜びのあとは複雑な気持ちでもある。どうせなら20世紀中に芥川賞なり直木賞なりを贈呈すべき作家であろう。
 で、『届かなかった手紙』だが、読んでいる間じゅう、1930年代のドイツと2010年代のニッポンがダブっていて、独裁政権しかり国民の支持しかり凶暴な法案しかりで、気分が暗くなる。ユダヤ人排斥と歪んだ優生思想は、ニッポンの嫌韓・嫌中とぴったり重なっている。ああ、いやだいやだいやだ、
 明日は上京して最終の打ち合わせ、友人とドトール、夜は写真展のオープニングパーティーと楽しみがあるので、気分は梅雨明けの青空だろう。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年07月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031