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2017年04月12日21:38

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トモチンの続報

 昨日と打って変わって朝はピーカンだったのに、午後3時を過ぎたあたりで部厚い雲に覆われ、ラズリと散歩に出ようとしたタイミングで雨が降ってきた。肩すかしをくった気分になり、暇つぶしでトモチンに電話をした。
 電話に出るなり「あああ、昨日送ってくれた写真、いいよ、とてもいい」とトモチンは言い、続けて「杏仁さん(私のことだ)のアドバイスを受けて、実話誌の編集長に会いに行ったんだよ〜」と嬉しそうに笑った。
 かれこれ1週間ちょっと前、つなぎ融資詐欺の容疑者として62歳の女がタイで逮捕された日、トモチンに一本電話を入れた。「タクシン派と反タクシン派の政治闘争なんて、誰も興味ないって。それより今日、松田聖子ぶりっこなババアがタイで逮捕されたの、知ってる? タイで取材するんだったら、これでしょ! 他にも潜伏中の怪しいババアがいないか、俗悪な日本国民の一人として知りたい」とアドバイスを送った。
 タクシンvs反タクシン問題の取材に15年も費やしてきたトモチンは、私のたった一本の電話で考えが変わったらしい。このネタは、杏仁さんが言うとおり、確かに原稿を買ってくれる出版社はない、いまこそタイの胡散臭いエロネタだ、と納得した。
 細々ながら繋がりのある実話誌と東京スポーツ(東スポ)に連絡をとり、詐欺ババアを取材することにした、と弾んだ声で語った。
 ちょうど1年前、彼と喫茶店で話をしたとき、お土産に『熱タイ色恋花火 』(角川文庫)というタイを舞台にした官能小説集を渡し「タイの胡散臭い人間ドラマでも取材すれば?」と言ったのだが、今日の電話でトモチンは「もらった文庫を読んでさ、考えるところがとても多かったんだよ〜。今回の旅では視点を変えてタイを回ってみる」とのこと。
 帰国したら会おう、ということになった。
「お土産にタイカレー・ペーストな!」と言ったら、「グリーンがいい? イエローがいい?」とへんなツッコミが返って来たので、「イエローでいちばん辛いやつだ」と答えた。貧乏なトモチンを気遣って「市場でフツーに売ってる25バーツのペースト、2袋にしてくれ。金は払う。もう1つはレッドカレーがいい」と付け加えた。
 タイで庶民が食べている大衆食堂というのは案外と怠惰で、スーパーで買える市販のカレー・ペーストをベースにしていることが多い。同じエリアの別々の店に入っているのに、昨日食べたカレーと味が同じじゃないか、と私は多少不満が募ったのだが、こうも言える。そのペーストさえあれば、自分で現地の味を簡単に再現できる。
 一昨日の夜から奥田英朗の『噂の女』を読み始めて読了。
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「侮(あなど)ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい――。(文庫表4の解説文)
 あまりにくだらなくて読んでいる間は苦笑いの連続だった。が、こういう本を読めるのは、私にとって調子がいい証拠でもある。精神的に低迷しているときはこの手の小説が受けつけなくなる。肥大した自意識で自縄自縛状態に陥っているのだ、と自分では分析している。
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