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2016年03月01日20:38

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長年の思い込みと青空とドリンク剤

 朝刊の社会面に常用漢字の字形を広く認める指針が文化審議会でとりまとめられた、という記事が載っていて、いくつかの字形が例示されていた。
 一覧表を見ながら、自分の書いてきた字だけが正しいわけではない、否、自分が覚えた漢字体でやや間違いであった(審議会では間違いとしないと判断)ことがわかった。
 正月から『えんぴつで奥の細道』でペン字の練習を始めたとき、いちばん初めに驚いたのは「そ」というひらがなの字形で、私は上部が2つの斜め線でつなぐように書いてきたのだった。幼稚園の年長組からたいへんに厳しい師範に書道を習い始め、ひらがなは5歳で正しい字を書けるようになっていた(と思われる)。ということは、55年間もある意味で略字のような字形を綴ってきたことになる。そんな馬鹿な。
 漢字についても「木」なら縦線をとめるではなく小さくはねる、と覚えていた。「令」の下部は「マ」の字を書いていたし、「女」という字は右側の斜め線が横イチを突き抜けたら間違いだとばかり思ってきたのだが出ていても間違いではないと審議会では認定されたそうだ。「令」をこの字体どおりに書くと、スタイルと笑顔が可愛い令子ちゃんなはずなのに煮ても焼いても食えそうにない令子ちゃんになってしまう気もする。字のイメージが硬くなる。「マ」と書いてもいいらしいので今さら改めない。
 昼にご住職をお見送りした。霊柩車に柩が収められ、発車する前にホーンが鳴らされる。見上げるとそこには澄み渡る青空と樹木の葉を付けぬ枝の広がりがあった。これからもときどき青い空を見よう。
 夕方、自転車で大手のドラッグストアに行った。体調が少し悪いのでドリンク剤を飲みたくなった。
 で、店内の隅で三ツ矢サイダーを買おうとしたら、目の前にいたご夫婦から「あら〜っ」と声を掛けられた。見ると、ルノーにお乗りの夫妻で、かれこれ8年ほど前、私は旧型カブリオレ、彼らが新型カブリオレに乗っていて、声を掛け合ったという薄い関係だった。が、今年のはじめ、偶然、家の近所で出会い、しばし立ち話をした。そのときに初めて自分の名前を名乗り、相手のかたも詳しい自己紹介をされた。
 ペットボトルの棚の前で「あれから実は、『森の詩人』をAmazonで買ったのよ」と言われて、「まあっ」と照れてしまった。世の中には親切というか奇特なかたがいらっしゃって、本当に嬉しい。住所を聞いたので、今度、おいしいケーキでも持参してうかがおうかしら。
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