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2016年01月09日21:27

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バニラスカイの下で、メガーヌ夫妻と遭遇

 昨夜はクスリを少し増量して服用、朝まで起きることなく眠れた。しかし残念ながら、体調悪し。アグレッシブでありたいと思っているだけに悔しい。
 1時間半ほど、野澤一が読みながら書き込みをしたり線を引いたりの『森の生活』を読み進んだところで以前から思っていたことを実行に移した。全ページ、デジカメで収めよう。
 手で本を持ち上げただけで本文用紙が崩れ落ちるくらいに傷んでいる。慎重にページを繰っては、右の指左の指で軽く広げるようにしながら見開き撮影をする。息が詰まりそうになっては深呼吸してなんとか最後の見開きまで撮影終了。
 午後3時前、本日3杯目の珈琲を飲んでからラズリと2回目の散歩へ。
 体調不良なのでせいぜい30分コースだ。ぐるっと街を一周して、家の近くまで戻ってきたところで、突然、声を掛けられた。
「あら、こんにちは。……メガーヌ・カブリオレの私たち、覚えてらっしゃる?」
 ラズリが拾い食いしないようにろ下ばかり向いて歩いているものだから、その時点で初めて声の主を見た。私と同年代の夫妻がいて、見た瞬間、わかった。
 2005年か2006年のことだ。由比ヶ浜通りを旧メガーヌ・カブリオレで走ったら、前のクルマが新メガーヌ・カブリオレだった。その日その時、私はどうかしてたんだろう。信号待ちか踏切前かでたたっと降り、「ほら、ボクのクルマもメガーヌ・カブリオレだよ」と声を掛けた。そんな縁がまずあって、1年後、3年後、5年後と、何度か街ですれ違って挨拶をしたり手を振ったりする機会があった。が、ここ数年、夫妻と会うことはなかった。
 その場で5分ほど立ち話をした。初めてお互いがどういう人なのかがある程度、わかった。ご主人と私は性別と生まれた年と、現在無職であることと、火が好きなのが同じだった。彼らはまだメガーヌに乗り続け、私はプジョーに替えたけれど、やっぱりフランス車に乗っていて、趣味全般をもし突き合わせしたとしたら、共通項が10に20もありそうな気がする。先方が名乗ったので、私も名乗った。自宅の位置も方向を指さしながら丁寧に説明をした。いつでも寄ってくれたらいい、と。
 帰宅後、おそろしく退屈な映画を一本観た。トム・クルーズ主演の『バニラ・スカイ』。SFでホラーで恋愛映画で人生ドラマで、ひと言でまとめるとただの「夢物語」。実際、展開されているシーンのどれがトムクルーズが見ている夢で、どれが現実に起きている出来事なのか、曖昧だった。わざと観衆を混乱させるような手法をとっていて、これが本当の夢だとしたら真面目に心配している自分が馬鹿みたい、なんて不満を抱いた。しかし、ホラー要素があるため、途中で観るのを止めるわけにもいかない。で、これが2時間を超える長尺で、しかも気を抜いたら意味がとれなくなるストーリーだから、まるで期末試験を解いているような気持ちにさえなってしまった。
 正月の3日に新橋で会った友人が、「夜、眠る前に同じ映画ばっか観るねん」と言うので、「それはたとえばどんな映画?」と訊いたら、『バニラ・スカイ』と『STAY』の2本を挙げた。「どっちの映画も生と死やねん。まあ、同じ映画を繰り返し見るゆうのん、鬱病患者に多いらしいわ」と言って笑い、話はそれで終わったのだが、思いっきりアホな友人がその時だけは真面目な顔をしていたので、どんな映画か知りたかった。いや、見とくべきだろう。
 口直しに、頭を使わなくても読めるようなエッセイを読みたい気分だ。が、あいにく未読の本は難しい内容の本ばっか。花村萬月のエロエッセイを半分くらい読み残しておくべきだったな。
 
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