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2015年12月17日20:21

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友人の墓参り

 4日後の12月21日は宝田久人さんの三回忌にあたる。自宅は山梨県で、いまも奥さんが住んでいる。が、お墓は三浦半島の先端にあるので、前々から命日までにお墓参りへ行く心づもりにしていた。
 終末はクルマが混むので、今日か明日ということになる。
 朝10時、とうきゅうの花屋でカタチばかりの仏花を買いに行き、そのまま駐車場へ。天気は薄曇り、昨日と較べると少し寒くなった。ナビでルート検索をしたら、横横を使う有料道路ルートで45分、海沿いの134号線を走ると1時間と出たので、迷わず一般道ルートを選ぶ。134号線はカップルのドライブデートやオープンカーでゆったりと走るのに最適な道路だ。少し遠回りをした上で1000円の通行料がかかる内陸コースを走ることもなかろう。
 宝田さんは私と対象的だと思えるほど精力的なひとだった。まさか自分が宝田さんのお墓参りをすることになろうとは、数年前まで想像すらできなかったことだ。ハンドルを握りながら、宝田さんの言葉や表情を思い出す。この世にもういないという実感は、やっぱりない。
 ナビの音声ガイドに従ってただただ安全運転をすることだ。ちょっとメローな音楽でも流したかったが、ナビのディスプレイを見る余裕がないので、無音で通す。宝田さんの肉声とか言葉遣いが思い出される。
 ほぼ1時間で三浦浄苑に着く。今年の4月に訪ねているのでほぼ記憶は残っているのだが、念のため事務所に行って墓地の場所を聞いた。
 迷わず墓前へ。墓石に水を掛け、苔むした花器を洗い、仏花を供える。ちょっとケチったのでいかにも貧弱だった。三回忌に向けて誰か他の参拝者がいたらいいな、と思う。墓は少なくともこの数カ月、お参りした人がいないような状態であった。
 墓前で手を合わせた。と、次の瞬間、まるで安っぽい映画のように、雨が落ちてきた。最初、額か目のあたりが濡れたような不思議な感覚があったので、オレは泣いてなんかいねえぞ、と笑ったのだが、小雨が降り始めたのだ。
 宝田さん、泣いてるの?
 事務所前ですでに一本タバコを吸ってから来たのだが、タバコが大好きだった宝田さんのためにと、雨の中で火を付けてみた。と、次の瞬間、雨がやんだのだ。そうかそうか、言葉を口に出せなくてもこういう会話ができるのか、と宝田さんを褒めそやした。
 5分ほどその場に立ち尽くした。線香台のよごれが気になって洗いに行ったり、落ち葉を手で拾ってゴミ箱に捨てたりして、名残惜しい気分のまま15分ほど動き回った。
 お腹が空いた。134号線沿いに面したすき家があったので、カレーと唐揚げを食べた。さらに「道の駅すかなごっそ」に寄り、この一帯でとれた新米を買って送る手続きをした。お供え物代わりだ。
 毎日のようにテレビニュースで交通事故が取り上げられている。注意しなきゃ、と緊張しつつ、さっき起こった不思議な雨のことを思い出しては笑えた。気持ちゆるむよ。
 
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