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2015年12月04日21:26

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高田宏さんの追悼展示

 図書館から予約本留め置きのメールが届いたので、取りに行った。本の雑誌12月号で知った究極のダメ作家による私小説集『明日なき身』、岡田睦著。
 カウンター近くに一昨日、訃報が掲載されていた高田宏さんの本が特別展示されていた。鎌倉図書館は亡くなられた著名人の蔵書を必ずといっていいほど追悼展示する習わしになっている。立川談志さんのような落語家の場合では、蔵書の代わりにカセットブックやCDが整理よく並べられていた。
 ざっと眺めてみたら半数を所有していた。貴重なご縁ゆえ、借りるよりは買い集めるほうがいいだろうと即断。一人でも多くのかたが高田さんの著書を読んで欲しい、と切に願う。
 帰宅後、すぐに『明日なき身』を読み始める。
 帯に「全国民 必読の書!ー文芸評論家清水良典」「妻に逃げられ、生活保護を受けながらも、自分勝手なダンディズムを貫いて生きる」「下流老人社会を予見する、21世紀の老人文学!」「テレビなし、新聞なし、ガスなし。生活保護に頼るよりない慘めな零落のきわみで……」と、岡田のダメ境遇ぶりをご丁寧に説明する文言まで躍っている。
 1932年生まれでまだご存命の様子だ。
 読んで30分後……。ただうなる以外感想を述べようもないエッセイ、とも私小説ともつかぬ駄文だった。葛西善三を読んだときに、もし一言一句変えないで書き写して新人賞に応募したとしたら一次審査で落とされる代物だ、などと感じたが、『明日なき身』はさらにレベルが低く、このような小説(というよりだらだらと書き綴っただけの身辺雑記)を出した講談社の、良識というか心意気に敬意を表したい。時代に生きる個としての人間をあぶり出すように記録する、というのも小説の役目だ。あまりにくだらない代物だとしても、くだらない小説もあってこそが文学なのである。人生の劣等生が劣等な文を書く、それを読みたいという人間も確実にいる。
 1時間半で読了。世間ではもっとも仕事が忙しい金曜日の午後3時にこんな本を読んでいちゃダメだ、と自戒する。昨夜は絲山秋子の『エスケイプ/アブセント』を読んだので半日のうちで2冊もダメ人間小説を手にしたことになる。へんなビョーキがうつらなければいいのだが。
 昨日の日記で馳浩文科省大臣を茶化したら、今日のロイター通信でおそらく編集部員が手を叩いて大笑いしながら配信したであろう記事が載っていた(http://jp.reuters.com/article/2015/12/03/idJP2015120401001678)。

<文科相、京都の対応「がっかり」>

 馳浩文部科学相は4日の記者会見で、京都府が文化庁の移転候補地として提案している京都市内の小学校跡地を視察した際、地元の十分な対応がなかったとして「熱意が全く伝わってこなかった。せっかく政府の代表であるこの私がわざわざ訪ねたのに、出迎えもなければ花束ひとつ手渡されず、心底がっかりした。京都なんて大嫌いだ」と批判した。
 馳氏は2日に京都駅近くの小学校跡地2カ所などを視察。敷地が鉄扉で閉ざされて入れなかったほか、移転後のイメージ図も示されず、地元経済界の関係者の同席もなかったとして「もう2度と京都なんか来ない、来てやるもんか」と側近に怒りをぶちまけ、その後泣きべそを浮かべたという。
 政府は東京一極集中是正に向け、地方に移転する国機関を来年3月末までに正式決定する予定。京都府は、文化庁や、独立行政法人の政府観光局、国立美術館などの移転を提案している。
 
 高い地位にある人間を必ずしも額面通りに受け取らない京都市民が、馳よりも一枚うわてだと言えよう(笑)。
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