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2015年06月18日21:11

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最後の砦、クローズアップ現代

 ようやく鎌倉は梅雨らしくなった。終日、雨は降ったりやんだり。やむとその隙にラズリを散歩させてトイレを済ませる。若宮大路を歩いていると女性ふたり連れが近寄ってきてその一人が腰を下ろし、ラズリを撫でた。彼女が立ち上がったところで「ありがとう」と言ったのだが、たぶん先方は撫でたことへのお礼だと思っただろう。が、真意は違う。女性を斜め越しの上から、見るともなく見ていたら胸元が大きく開いたTシャツだったので、それでなくても大きな胸が90パーセントくらい丸見えになっていたのだった。山本直樹のコミックに出て来る情が濃くて頭が悪い巨乳を不意に思い出したので、帰宅後、本棚の前で『フラグメンツ』の短編一話を立ち読みしてしまった。
 それはともかく。
 6月に入って以降、2日に1回の割で朝日は沖縄戦に関する記事が掲載されている。今日もまるまる一面を使って沖縄戦とはどういうものだったのか、という特集を組んでいた。そして夜、NHKの「クローズアップ現代」で沖縄の無名戦没者企画をやっていた。平和祈念公園にある「平和の礎(いしじ)」に刻まれた墓碑銘のうち、220人が「○○○○の長男」「○○○○の妻」などと、絶命とともに名前さえ失われてしまった悲劇が紹介されれいた。知れば知るほどいたましい。生に対する執着が乏しい私ですら、戦禍に巻き込まれてどこまでも逃げ惑い、最後に銃撃か爆弾攻撃を受けて命を落とす、ということは耐え難い。沖縄県は戦後50年の節目で聞き取り調査を終えて立派な石碑に一人ひとりの名前を刻んだ。が、すでに戦後70年となり、当時の状況を覚えている住民はいなくなろうとしているのに、丹念な聞き取り調査を続けているようには思えない。これは従軍慰安婦についても同様で、日本政府がやるべきことは、何も朝鮮人慰安婦が「商売」だったのか「強制連行」だったのかを検証するだけではなく、元日本兵からの聞き取り調査を最後に亡くなる一人までヒヤリングすることではないか。全長200メートルの洞窟(ガマ)を兵舎として構え、そこに指令本部や弾薬庫や宿舎を設置し、さらに近隣住民をまるで盾にするかのように入口近くに住まわせ、さらに隣接したところに慰安所を置いた。幸い洞窟はまだあるのだ、徹底した調査を根気強くするのが文科省と国立大学の使命ではないか。国旗掲揚と国歌斉唱はそのあとだろ。
 沖縄は梅雨が明けて観光シーズンに入ってしまったので、飛行機もホテルも高くなってしまった。オフの秋になったら沖縄へふたたび行って今日「クロ現」にあった西原町を歩いてみたい。辺野古はその頃どうなっているのだろう。ボーリング調査という名目で、埋め立てが始まっているのだろうか。
 先週、尊敬する作家から部厚いハードカバーが送られてきた。本文最後のページを見たら「500」とノンブルが打たれてあった。1ページ20行とびっしり字が詰まった長編なので多少尻込みをしてしまい、しかし本らしい本のデザインをずっと目にしておきたくて、いちばん目に付くところに「面陳」していた。ひどくつまらない長編を読んで、ああ損をした、という憤懣がようやく収まってきたので、今日これから読み始めたい。
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