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2015年04月06日21:55

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おいしいシラス丼ランチ

 朝、コーヒーと一切れのパンで食欲を満たしたあと、沢木耕太郎と夏目漱石の連載小説から新聞を読み始め、『それから』の主人公・代助と自分の生活態度と性格が似ているのではないかと親近感を抱く。小説は仮想現実であるにもかかわらず、他者のリアルタイムで進んでいる現実=ノンフィクションと捉えてしまうことが時々あって、そんなふうに読めるのが自分にとっての面白い小説ということになる。イコールじゃないけど。
 9時40分くらいになって、ようやくラズリの散歩に出た。ときどきラズリのおやつをいただく和テイストのカフェの前を通り過ぎようとしたら、ラズリが店の前からテコでも動かない、踏ん張って進もうとしない。普段なら10時開店のはずで門は閉じられているのだが、今朝は既に開いていた。
 店主がラズリを見つけ、出て来た。
「おはよう。今、Aさんがうちで打ち合わせをしてますよ−」と私に言う。Aさんは私の友だちで、彼にこの店を紹介したら気に入ってくれて、私より頻繁に訪ねるようになった。
 ラズリはクッキーひと欠片をもらう。10秒ほど尻尾を激しく振っていたが、それ以上出て来ないと理解したら、尻尾は垂れ下がった。
 このカフェではランチをやっているので、「11時にランチで来ます」と告げて家路についた。もし打ち合わせが延びてAさんがその時間にまだ店にいたらいい、と考えたのだった。
 11時に行って、ランチのシラス丼を注文。Aさんはまだ打ち合わせ中だった。15分くらい経った頃、ランチを食べ終わる少し前にAさんは打ち合わせから解放され、その後カウンターで私と肩を並べてランチをとった。昨日、納骨式で諸磯に行ったことを話すと、葉山在住の彼ゆえ、そこから三浦半島を話題にいろんなネタが次々と出て来る。私もこの1カ月で2回も半島を半周していることもあって、お互い新鮮なネタが尽きない。
 1時前に別れて、図書館へ。週刊朝日の「外国人実習生残酷物語」記事を読んで、激怒。低劣きわまる労働実態と最賃に届かぬ収入、セクハラパワハラなんでもありの「外国人実習生制度」はここに来て、さらなる改悪法が成立して、ニッポンの基本的人権がいよいよ地に落ちていくことが腹立たしい。月300時間超労働を諸外国人に強いて、月5万円だ10万円だという「ありえへん」給与というのは奴隷扱いだろう。私が金輪際トヨタ自動車に乗りたくないと誓ったのは、JR田町駅近くのマンションに住んでいたとき、隣接するトヨタ直営の修理工場に悲惨な労働生活を強いられている「外国人実習生」がいたからだ。85年前後、そのひとりのマレーシア人と親しくなって、事細かな実態を聞いたのだが、そもそもの知り合うきっかけは。路上で彼からいきなり「どうか私を助けてください」と頼まれたからだ。彼の話を聞くと、人身売買と言うのが適切な「実習生」だった。まあ従軍慰安婦の男版ってところだろう。
 それから30年が経って、事態は改善されるどころかさらに悪くなっている。これでいいのだろうか? 議員が自分の利益優先で経費も定数も変えないのと同様、日本国民も自分たちの利益優先でこうした奴隷制を黙認するということだ。私はどうしてもこの輪に与したくない。が、日本以外で暮らす才はないし、たとえ海外移住をしたとしてもしょせん日本人からタイ人にはなれない。日本語で物事を考え、読むのは日本語の本だ。それもとびっきりしょうもない小説と、やや偏向していると自分でも思ってる政権批判本と、レイアウトがきれいな旅行ガイド……。
 昼間、光がとてもきれいだったので、久しぶりに布団を干した。ここ数日、嵐が吹き荒れていたり雨が降ったりで条件は最悪だったが、海棠はまだ散っていない。家裏にあってうち以外誰も見ない満開の山桜もほとんど花びらが残っている。

《澄みわたった青空が広がり、太陽の光があたり一面にふりそそいでいる。人生は美しい。未来の世代をして、人生からすべての悪と抑圧と暴力を一掃させ、心ゆくまで人生を享受せしめよ》(トロツキの遺書)
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