栞には昨日の風が眠ってる ページをめくれば街までやさしい #短歌
検索はなんでも知っているけれど沈黙だけは棚に置けない #短歌
読書灯消してしまえばはじめてのことなどなかったような暗がりに #短歌
耳たぶを風にあずけて歩く日はやさしいほうへ影がのびます #短歌
信号の青を信じて渡るたび爪だけ少し月へ帰った #短歌
透明な水を飲むたび体内で遠い野原がほどけてゆくね #短歌
薄紙をひらけば午後の光まで優しくなれる気がしてしまう #短歌
レジ袋さげてスキップするような足音きいて帰る夕暮れ #短歌
ポップコーン山盛り抱え暗がりにひとりの自由かみしめる夜 #短歌
コンビニの袋が今日は破れずに帰れたことで明日も生きれる #短歌
食卓に置いた林檎の赤だけが終末よりも今日を選んだ #短歌
世界よりまずはあなたに謝ろう そういう朝を生きてきたから #短歌
変身は急がなくてもいいんだよ 秋はあなたを待つのが得意 #短歌
通知音鳴らないことも応答だ 静けさだけが既読を越える #短歌
届くとは読まれる事と違うから言葉はいつも空気で終わる #短歌
届くとは読まれることと違うから言葉はいつも空気で終わる #短歌
駅のプラットフォームの風に煽られて結ばなくてもいい靴の紐 #短歌
ひかりのなかで小さく喉が鳴っていた青い鳥だった君の手のひら #短歌
笑わないでくれよ そのあと本当にもう一度だけ手を振るために #短歌
洗いたてのハンカチひとつたたむたび誰かを傷つけずに済む気がした #短歌
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