窓辺にはまだ咲く場所があるように花瓶の水を替えた午後です #短歌
楽しかったねとと言う為だけのためにある帰り道かもしれない真夏 #短歌
洗濯を取り込む頃の西空にやりなおせない色がひろがる 短歌
あの頃は孤独を言葉にできたのに今は名前のない夜にいる #短歌
朝露にぬれた靴紐結びつつ答えはあとで追いついてくる #短歌
まぶたには昨日の夢が残るから今日は名前を呼ぶだけにする #短歌
改札で手を振る君の最後まで笑っていたい恋だからこそ #短歌
精霊馬軋む路地にも水の影 老いは途中で匂いを残す #短歌
探偵とピアノ職人の朝だけがこの街の比喩を成立させる #短歌
徹夜明けカップ麺から立つ湯気が勇者のマントみたいに揺れる #短歌
ベランダに干した浴衣の袖からもまだ人混みの風がしている #短歌
再生を押しても音の出ないまま食卓だけが朝を読み込む 短歌
シャッターの隙間に朝が差し込めば鍵盤みたいな光が伸びる #短歌
牛乳のパックに残る冷たさを2人で覗く8月の端 #短歌
洗いたてのシャツの袖からこぼれ出る朝をひとつずつ着せてあげたい #短歌
醒めきれぬ体のうちに鳴いている蝉のリズムをまだ受け入れず #短歌
飲み込まれそうな光の中で君は死んだあとの話を滑らかにする #短歌
ふわふわの雲をちぎって塗るような気持ちで朝を食べていました #短歌
君からの既読つかない画面見てパフェのチェリーを最後に食べる #短歌
水道の水を飲み干す音だけがうすい水玉の夕方を割る
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