レシピには書いてないから人類は何度も同じ塩を入れすぎる #短歌
削られて光るものなら悲しみもいつかは月に似るのだろうか #短歌
流行りとは昨日の未来だったもの だから誰にも追いつけないの #短歌
包まれてしまえば甘い秘密だね いちごの赤が口元に咲く #短歌
夕暮れの光をひとつ巻くように幸せだけを持ち帰りたい #短歌
言い訳が増えるたびにもおいしくてそれでも食べるしかない日がある #短歌
コンビニのガラスに映る横顔を少しだけ好きになれた夕方 #短歌
水面へとこぼれた空を編むように小さな鳥が縫いあげる午後 #短歌
帰り道ほどいた肩の力だけ本当のわたしに戻ってゆく #短歌
カーテンの光を少し畳みつつ雲の名前を覚えて眠る #短歌
朝になりパンをちぎって口にする 評価じゃなくて暮らしを食べる #短歌
夏の風きれいな嘘をひとつだけ花のように胸へ飾ろう #短歌
生卵増やす行為は幸福を数量化する試みだった #短歌
洗濯のかごに朝日がたまってる かくれんぼなら負けてもいいや #短歌
食卓に残った雨を拭くようにあなた皿を静かに重ねる 短歌
風船を放したあとの手のひらにまだ残ってる空のぬくもり #短歌
書かなくて済むなら誰も鉛筆をあんなに短くしないと思う #短歌
言葉には回収日などないからね 机の奥で宇宙になってる #✤短歌
言葉より先に涙があったから追いつくようにノートをひらく #短歌
読まれない詩にも時間は流れててそれでも紙は白さを守る #短歌
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