正解の速度で生きる人がいて間違いながら届く返信 #短歌
考えてくれているならそれでいいと思うことにして待っています #短歌
深爪になるほど切ってあげるから僕のことだけ考えていて #短歌
どこにでもいそうというとこのなかに代替不可能な午後がある #短歌
人はみな消えたいのではなくたぶん傷あとだけを消したいのだろう #短歌
最後まで残る一本見つめつつ笑い声だけ先に手を伸ばす #短歌
夕焼けの色した水を飲みながら誰も悪くはないと思った #短歌
特別になれないままでよかったと言える日までは少し苦いね #短歌
小さな銀色の鏡の中で先生の視線は遠い空を跳ねている #短歌
羽化を待つみたい黙る夕暮れのベンチにふたりで座っていたね #短歌
氷水出しゆっくり溶ける台所 夜だけ少し青くなってる #短歌
許したら終わると思っていたけれど光るためだけ残るものあり #短歌
忘れてもいいと思える朝が来て包みなおした結目ゆるむ #短歌
説明のつかない穴へ落ちるたび残機だけが事実としてある #短歌
慰めは意味より先に届くこと文字列だけが灯りになる夜 #短歌
目覚ましを止めても少し残ってる羽音みたいな朝の予感が #短歌
カーテンうすい黄色をくぐり抜けヒヨコみたいな光が歩く #短歌
孵化予定日の書かれた紙もなく それでもちゃんと明日へ向かう #短歌
待つことに向いてる人はいないけどみんな何かを待っているよね #短歌
深爪のちいさな傷み分け合ってソーダ水へと沈む三日月 #短歌
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