まだ少しあたたかい椅子を残して夕暮れだけがゆっくり座る #短歌
真っ白なプラスチックのコップみつめて正しい息の仕方を忘れる #短歌
ハッピーエンドのあとの孤独を僕らは深く吸い込んでいる #短歌
液晶に映る炎を見つめてる 届くはずない青いリプライ #短歌
キャラクターのバッジで過剰に飾り立て記号(アイデンティティ)で武装する日々 #短歌
おてがみのちいさな「っ」かな あなたのおうちに届けばいいな #短歌
つめたい針のついたきみのてひかる ぼくの風船をわっていいよ #短歌
太ること愛されることそのどれも許されており肉体(からだ)は重い #短歌
見上げてみればきみ色のあお ビルの隙間にちいさく光る #短歌
スクランブル交差点にまぎれて僕たちは正しい名前を忘れてゆく #短歌
地方から出てきた僕らの心吸い込んでゆく高層ビル群 #短歌
地図なんて燃やしてしまえ 黙ったままお前の嘘で海を埋めろよ #短歌
フードコートの窓から見えるダイソーの看板だけがずっと眩しい #短歌
送ったあとのすこしだけさみしい青 きみの一人のやさしい手札 #短歌
無機質なガラスの壁に映り込むわたしの唇(くち)だけが赤くて #短歌
タワマンの三階に住む先輩が缶チューハイのストロングをくれる #短歌
完璧な絶望のなかで「生きたい−と叫ぶ苺のジャムのような夜 #短歌
網のなかでももがく光をにがすとき あなたの髪に風が抜けてく #短歌
いのちとは掴めはくだけるものなれは静かにひらくよう信じる #短歌
ドトールで冷めたラテ飲む僕たちの誰もがなれなかった主役(ヒーロー)#短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する