ほんとうは暗いままでよかったのに白さがすべてを語りはじめる #短歌
独創的な慰め方として君に「あ」から「ん」まで順にメールする #短歌
どうしても傘を持てない日があって世界は少しやさしく痛い #短歌
濡れながら笑ってしまう帰り道 傘を持たないひとのあかるさ #短歌
❲ただいま正しさは遅れております 先に引いた線でお待ちください #短歌
ぴたりと来ないままの温度を着てそのまま外へ歩いていける #短歌
逆光に溶けてゆく指 横着の極みという羽ばたかぬ日の青 #短歌
こんなにも確かに終わったはずなのにまだ誰かいるみたいな静けさ #短歌
裏返す行為のなかにある倫理 汗を拭う手少し遅れる #短歌
お皿の城がぽんって浮かび上がってあとづけのわけもなんだか好きだ #短歌
完璧な晴天のなか サヨナラをか言うためだけに傘を差している #短歌
さよならが光る瞬間だけ本当でそれ以外は全部が遅すぎた #短歌
言ってるそばからやさしくなりすぎて本当のこと少しだけこぼれる #短歌
裏返る声そのままに話し終え「声」が「個体」になるまでの数秒
降りないと決めた瞬間はじめての行き先がもうどこにもないよ #短歌
えびの赤 ピラフの甘み 君の喉 泣きやむまでのソーダの音を #短歌
ほどけない言ってるそばから指先がリボンの結び目を見失う午後 #短歌
電源を落としただけの未来から小さな明かりがこちらを見てる #短歌
どこでもいいって言いながらほんとはねちょっとだけ決めてほしいよ #短歌
あなたが隠した一個分だけ景色がやわらかく歪んでいる #短歌
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