まだホット緑茶しかない自販機の赤いひかりが指を染めてる #短歌
ゆるやかなまま固定されていく距離 わたしの外で意味が整う #短歌
こんなにもはっきりとした匿名でなぜか安心してしまう午後 #短歌
ねえこれさかくしてるつもりなんだよね でもぜんぶきみって書いてあるよ #短歌
適量ってほんとうに存在するのか 余ったぶんだけぼくはぼくだ #短歌
ちょっと多いくらいがいいと思っててそれでもいつもこぼしちゃうんだ #短歌
言われたあとで静かになる部屋 コップの水だけやさしく揺れる #短歌
さわらずにいようと決めたはずなのにかゆいところをそっと探してる #短歌
理由という語を撫でる手のかたち すでに歩行の外側にある #短歌
ねえこれさほんとにぜんぶつながってる?ぽこっとしてるとこだけ見たい #短歌
やさしさは消えたあとにも光るから耳の奥でそっとゆれてる #短歌
こんなにも小さな場所に残るなら きっとぜんぶは終わっていない #短歌
「撃て!」と叫べば銀河から猛毒の林檎が降ってくるハッピーエンド #短歌
違うよね 白すぎる部屋で愛という文字を消しゴムで消し続けてる #短歌
濡れること選びとる手の静けさで傘を持たないきみを見ている #短歌
ねむるたび雨から逃げているようでまつ毛の先にまだ夜がある #短歌
どうしても届かないほうを選んだの その理由だけ言葉にならない #短歌
ごめんねと言えばいいのに言えなくてぬるいスープをまだ混ぜている #短歌
気休めの痛み止めしかの「しか」のあとに続く全人類の欠落 #短歌
言いかけてやめた言葉のかたちして梯子はずっと空を見ている #短歌
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