こんなにもはっきりとした生がある 死体を乗せた遊園地の午後 #短歌
遅れてくる意味に名前を与えつつわたしはすでに触れてしまった #短歌
ほどけないやさしさなんてあるならば それはもう呪いに近い #短歌
湯気のないココアを混ぜるぼくたちの骨格だけがいま喋ってる #短歌
このまま少しずつ腐っていくみたいに終わらない日を選んでしまう #短歌
コンクリートの裂け目に溜まる雨水が空の青さだけ盗んでく #短歌
シャツ越しのぬくもりだけを信じつつ改札抜ける朝は静かに #短歌
カーテンのうらでころがる光たち おうちがいちばんたのしいばしょだ #短歌
風を切るという言葉だけ先走る 自転車の影少し遅れて #短歌
ぬるくなったお茶の底からぼくの名を呼ばない国の地図がはじまる #短歌
立ち回りという言葉で覆われた気遣いだけが卓にのこって #短歌
あ、いちご、ぱくり おいしい それだけでいいのにね、いいのにねって #短歌
適量の境をまだ持てぬままあふれたぶんで測ってる夜 #短歌
「きれいだね」と言うたび君が減っていく気がしてアイスの棒を噛んでる #短歌
褒めるとは ほめる(笑)とは。(かっこわらい)を外して君をどうしてくれよう #短歌
飲みかけの水の静けさに気づく夜 さっきの会話がもう遠いです #短歌
春巻かない ぱりぱりしない 夜だから皮のかわりに光を食べる #短歌
全人類に自慢したいけどしたくない 君を褒める言葉が足りない #短歌
自販機の「あったか〜い」が切れていて僕の体温ただのゴミだよ #短歌
なんて言えばいいのかまだ知らないけどそれでもここにいるよってさ
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