残り香のような気配を集めつつ形のないもの持て余してる #短歌
持ち運ぶことが答えに近くなるほどけないままでもいい夜 #短歌
桜より遅れて咲いたことばたち 四月の日記に指をすべらす #短歌
書かれないままの余白に触れながら頁の奥で朝を飼ってる #短歌
あしあとがつかないみたい このみちね ぼくはどこにもいないみたいで #短歌
言わないでいることばかり増えてゆきどこまでいけば地図が終わるの #短歌
徒歩圏の地図がゆっくりほどけてく散ったさくらを踏まずに帰る #短歌
白いまま保存されたる関係に既読もつけず指を戻せり #短歌
あけっぱなしでもいいよって言うけど風がさみしさ連れてくるんだ #短歌
エスパー?って笑って聞いたそのあとでもう手のひらを見透かされてた #短歌
あとでちゃんと意味になるかもって伏線だけを机に残す #短歌
やわらかな水にまぎれたままの声すこし遅れて浮かんできそう #短歌
改行の位置をまちがえそのままにやさしさだけが先に届いた #短歌
それほんとに光かなって思うけど言い切るきみを否定できない #短歌
その鍵を持っているのはだれだろう 開けてもいいと言えない部屋で #短歌
だれでもない顔で映ったガラス越し選ばれなかったわたしが手を振る #短歌
待つことに色があるなら薄青で時間のふちがすこしにじんだ 短歌
電気って消すと夜が来るんじゃなくて夜に気づくためのスイッチ #短歌
部屋という輪郭だけを信じてる なかみの闇はまだ見ぬふりで #短歌
その白を白と言うには軽すぎてこわいのはただ裏があること #短歌
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