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2026年05月07日23:12

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5/4 ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学、光の探求@SOMPO美術館

怒涛のGW3日目。この日からは例年通り美術館巡り。できるだけ人出の多くない場所、混まない電車移動を考えて、まずは新宿SOMPO美術館にした。

ブーダンは、近代西洋絵画の流れの展覧会では必ず1,2点紹介される画家。だけれどそんなにメジャーではないと思って連休中に見にいってしまったが、豈図らんや、かなり混んでいるではないか。印象派だと思っている??

ブーダンはその作風から印象派の画家と間違えられるが、実は印象派の画家ではない。その定義はいろいろあろうが、アカデミーに落選した者たちが集まってこれまでの絵画形式に反旗を翻して展覧会を行ったのが、その名前の由来であることはよく知られている。その点から見ると、ブーダンは1874年の第1回印象派展にはモネの誘いもあって出品しているが、それ1回限りで、終生サロンに出展し続け、受賞もしている。後半の作風はどうみても印象派風ではあるのだけれど。じゃあ何か、というと一般に「印象派の先駆者」と言われている。

なにより、印象派を代表するモネ〜当時はカリカチュア画家だった〜に大いなる影響を与えたのがブーダンなのだ。モネを印象派の巨匠に導いたということか。

1856年二人は出会い、ブーダンはモネに戸外制作を強く勧め、刻々と移り変わる雲の動きや絶妙な光の変化を彼に気づかせた。
1859年〜62年にはノルマンディで共に河岸や河口の風景を描く。
1865年にはサン=シメオン農場で、ヨシキントと3人で制作。この頃から、モネは人物から自然・自然現象へと関心が移り、ブーダンは都市の人々を描くようになる。
1860年後半、モネは筆触分割で色彩の煌めきを描き、ブーダンは大気と光の表現を突き詰め、サロン出品を続ける。

まてよ、戸外制作に意義を見出し、空を観察し、描いた画家にコンスタブルがいたことを思い出す。こちらの展覧会↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978549616&owner_id=2083345&from=list_diary_search

合わせてまとめると…コンスタブルはブーダンより半世紀早く生まれており、空と雲をつぶさに観察したことで先駆けている。それは当時発展した気象学とリンク。そのあとを継いで(?)ブーダンは、さらに、気象学的に空を観察するだけでなく、空がもたらす光の瞬間を見出し、描き、印象派の成立に繋げた。…ってことかな。

本展は、年代順でなく、海景、空、風景、建築、動物、人物の6つのモチーフと素描、版画の8セクションからなる。私は、ブーダンがバルビゾン派に影響を受け、モネやヨンキントと共に制作に励んだ様子を作品を通して知りたかったので、年代順での展示の方がよかったな、と思う。もっともこれはあくまでも私の希望。

撮影可は5階フロアの「海景」(一部不可)と最後の収蔵品コーナー数点のみ。収蔵品ではいつものゴッホ《ひまわり》のほか、珍しいもの(ドラン《海辺》、ドルーマン《港》など)や大好きなセザンヌ《りんごとナプキン》も久々に展示。

ネット借用含めアルバムあります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121435060&owner_id=208334

https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2025/eugeneboudin/
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「印象派の先駆者」と呼ばれる画家ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898)の、日本では約30年ぶりとなる展覧会です。空や雲、海景、牛の群れなどを瑞々しい色彩と軽快な筆致で描き出したその作品は、故郷であるフランス北部のノルマンディーをはじめとする各地の光と大気の様子を見事にとらえています。戸外制作を重視し、移ろいゆく自然現象の「瞬間」に向き合うその態度は、若きクロード・モネ(1840-1926)を開眼させ、やがて印象派の誕生へとつながってゆくのです。
海の情景を描いた「海景画」と共に語られることの多いブーダンですが、その魅力はそれだけにとどまりません。油彩・素描・パステル・版画を中心に約100点で構成する本展では、人物や建築モティーフなどにも焦点を当てつつ、フランス近代風景画の発展に大きく寄与したブーダンの魅力を、新たな視点で問い直します。


1 海景ー海景画家の誕生
海景画に本格的に取り組むのは商業的需要があった1860年後半から。

《ル・アーブルの港、灰色の空》1852〜55年
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《カマレ、湾、干潮》1871年
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《海景》1883年
ブーダンは1880年代以降、海景画家の名声を高めていった。
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《ベルグ、出航》1890年
1889年から1891年頃、厚みのある筆致による大胆な画風へと移行する。
ブーダンは産業革命により増えていった蒸気船より、減りつつある帆船を好んで描いた。
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《ディエップの港》1896年
薄塗りの絵具、軽快な筆致、美しい。このあたりが好み。
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2 空ー瞬間の美学、光の探究
1859年にサロンに出展された作品をボードレールは革新的と評す。コローもブーダンを「空の王者」と呼び、クールベも「最も空を知っている男だ」といったという。この時代、風景画において空は重要な部分だったのね。

《ノルマンディーの海岸》1862ー65年頃
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《空の習作》1880年頃
一瞬を捉えようとして素早く描いた作品はまるで抽象画のよう
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《トルーヴィルの港、月の効果》1870〜73年
月明かりのほの明るい光が抒情的
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《干潮》1884年
大きな作品で、サロンでの評判は芳しくなかったが、初めて国家お買い上げとなった作品。
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《トルーヴィルの海水浴客》1890〜97年
もと小さな漁村だったところが、鉄道の発達により海水浴保養地となって賑わったところ。水彩のような軽いタッチがいいね。
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《フェカン、霧の中の港》1894年
月?それとも太陽?帆船の縦の細い線がいいなぁ。
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3 風景ーバルビゾン派からの学び

《トゥークの古い港》1890年
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4 建築ー旅する画家が見た風景

《オンフルール、聖カトリーヌ教会の鐘楼》1897年
この作品は、モネ没後モネのアトリエから発見されたので、モネの息子ミシェルがモネのサインスタンプを押した。そのため、長いことモネの作品ということになっていたが、同時に評論家の間ではその作風の違いに疑問が呈されていた。ブーダンの作と認定されたのは2013年、つい最近のことだ。
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5 動物ー身近なものへの眼差し

面白いのはこの2点。
《水飲み場の牛の群れ》では、牛はもはや色面として処理され、主題は光と大気の変化だ。《海辺の牛》では、牛の姿形はブーダンにとって問題ではなく、牛は空、陸、海と同じ大気の中に溶け込んで描かれている。
《水飲み場の牛の群れ》1880年
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《海辺の牛》1880〜88年
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6 人物ー戸外の群像表現

《人物のある風景(ブーダン夫人とモネ一家)》1875〜77年頃
左がブーダンの妻マリアンヌ、右がモネの妻カミーユ、寝そべるのがモネ。
同じ服装の3人が描かれているマネの作品がある。
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《傘をさす女性、ベルクの海岸》1873年
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《若い女性の肖像》1880年頃
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素描 
素描はブーダンのインスピレーションの源泉であり、生涯で6,000枚を超える膨大な数を残した。木炭、鉛筆からパステル、水彩へと移行し、形態から光の表現へ、スナップ写真のような瞬間把握へと広がる。習作にこそブーダン絵画の真髄が表れている。

《トルーヴィルの海岸の貴婦人》1863年
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6月21日まで

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