あったかいねって言うためだけに置くパン 未来ちょっといい匂いする #短歌
ねえ此れって愛の対義語になりたいって言ってる時点でもう違くない? #短歌
変わったと気づくことさえ遅れててそれでも空気だけは正しかった #短歌
同じ色していたはずのぬくもりが気づけば別の夜を選んだ #短歌
ブレーキのひびき薄青にほどけつつ眠りの羽が空へこぼれる #短歌
夜の底あずけた声を拾わずにあたらしい息だけで立ちあがる #短歌
灰皿に落とす言葉を数えつつやさしい風に少しほどける #短歌
軽いままここまで来たと言うけれど落としたものは数えられない #短歌
帰り道だけ正しいぼくでいて うまく言えないままの重力 #短歌
自由とは持たないことと引き換えに名前のない風だけを連れていく #短歌
ひらいたらすこしこぼれる夜であり発明されぬままの暗がり #短歌
やさしさで隠した夜が残っててほんとうのことだけ少し遅れる #短歌
くつひもを結び直して見ていたよ こぼれそうな日を踏まないように #短歌
広がったあとの中心さがしてはどこにもないことを受け入れる #短歌
さよならってまだそこにあるんだね 花といっしょにゆれてほしいのに #短歌
いないことを肯定するみたいに白さばかりがきれいに満ちる #短歌
言いそびれたことばの端をなぞるよう かゆいところはございませんか #短歌
忘れきれぬことを置いても進む朝 靴は静かに地面を受ける#短歌
渡り切るころにはもうやわらかく風のかたちが胸にほどける #短歌
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