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2026年03月24日20:07

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ばけばけと、ルソーと、物入りな車検

 3月24日火曜日、快晴。
 朝8時、コーヒーを片手にNHKの朝ドラ「ばけばけ」を見始めた。体調の衰えを憂慮するヘブンさん(=小泉八雲)と、夫の不調を心配するトキ(=小泉節子)が仲むつまじく語り合っていた。
 それからわずか5分後に一転、墓地でヘブンさんの納骨シーンが流れていた。いきなりの大きな展開に驚く間もなく、熱心な視聴者でもなかった私まで悲嘆に暮れてしまった。
 ゆっくりと死に向かうプロセスは誰しもあまり見たくないものだ。
 その意味ではよかったかもしれない。
 気を取り直して朝食をとり、パソコン部屋に行く。メールやルーティンになっているブログ閲覧後、校正を始める。コーヒーを2杯飲んでいても40分くらいで眠気が来る。そうなると、ネットニュースや親しみのあるTwitterを読んだりして、これまた40分が過ぎていく。
 いい加減ネットから離れろ、と自戒して、校正。で、大して進んでもないのに、またネットという負のスパイラルで、悲しくなる。
 昼食後、クルマボディの花粉傷と車検相談で、葉山のガソリンスタンドに併設された修理工場へ。早速、ボディの補修を相談してみると、なんとかなりそうだ。と。安堵したものの、最善策のクレンジング&ガラスコーティングで車検費用+3万円の見積もり額を提示され、めげる。が、一昨日、「日本でいちばん綺麗な状態に保ち続けたい」とのたまわったくらいだから、お願いすることにした。最愛の子どもに惜しげもなく華美な七五三行事をほどこし、中学受験・高校受験・大学受験に何十校と受験料をばらまくノーテンキな御大尽(あくまで私のような、ずっと公立ひとすじで来て、かつ子どものいない人間からすると、だ)、っていう気がしないでもない。が、これはいま書きながら、私、間違ってるな、と思う。合理主義最優先を掲げて人生を歩むのは、自己否定に繫がる危険な信条だから。だいたいに於いて無駄こそが美しい。
 帰りに例の如くブックオフに寄ったら、驚いた。
 本の値段を書き換え中で、これまで最低110円だった本は132円。つまり100円から120円に一斉値上げとなっていた。まだ値段シールを貼り替えていない本については、旧価格で販売だそうだ。
 で、先週に入店した時、目を付けたけど買わなかった本を拾い上げることにした。
 うち一冊はルソーの『孤独な散歩者の夢想』で、自分が初めて哲学書と言えるかどうかは微妙ながら読了した「哲学的エッセイ」だった。高校の図書館で岩波の今野一雄訳を読んだ。社会人になってから、岩波文庫版で読み直した。
 ブックオフにあったのは新潮文庫で青柳瑞穂訳。岩波文庫に較べて本文の級数がちょっと大きく、訳もこなれている。
<要するに、僕は地上でただの一人きりになってしまった。もはや、兄弟もなければ隣人もなく、友人もなければ社会もなく、ただ自分一個があるのみだ>(新潮文庫)
<こうしてわたしは地上でたったひとりになってしまった。もう兄弟も、隣人も、友人もいない。自分自身のほかにはともに語る相手もない>(岩波文庫)
 岩波文庫版は本文7ポかも。雑誌の写真クレジット表記(ex.撮影:篠山紀信)くらいの字体。こりゃ、老眼じゃなくてもいまの時代は読めんわ〜。
 知性とは畢竟、内省である。どこかの吠えまくる独裁者を見ればよくわかる。
 ルソーが掲げた魂の純粋なる充足を探す”内面の散歩”を徹底する限り、自分を知ることが出来る。が、悲しいかな、知ったところで1週間も経たないうちに、自分を見失っていくものだ。永久にこの繰り返し。
 が、それでも私としては、三読してみたい。
 帰宅後、校正を再開したのだが、もはや一滴の集中力も残ってはいなかった(苦笑)。
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