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2026年03月04日19:50

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短歌

つきだして舌にふれたる春の糸ほどけるように空は遠のく #短歌



指先に残ったままの夜があり飲みきれなくて朝へ持ち越す #短歌



春なのに多分雪降る気配して手袋のまま君を待ってる #短歌



サブスクで聴けない曲を持っている きみの沈黙だけが再生 #短歌



言葉より遅れて落ちる影ひとつ 夜の器に水を満たして #短歌



やすませた指の形で夜を知る 消えないものがそこだけ光る #短歌



応答のかたちを持たぬ水の上 揺れた分だけ深くなる夜 #短歌



祈り終えた椅子のぬくみを置いたまま 誰もいない名を呼んでみている #短歌



ポケットの底でぬくもりになるまで名前を持たず光っていてね #短歌



傘を閉じた手のひらだけが知っているひとり分だけ軽くなる夜 #短歌



改札の手前でほどける横顔に遅れて今日のわたしが追いつく #短歌



ほどけない夢のつづきを撫でながらまだ体温を確かめている #短歌



踏まれないままの白さのとなりには名前を呼ばない時間が積もる #短歌



握りしめたままの光を置いてゆく 祈りのかたちで眠りに帰る #短歌



改札を抜けても続く余白には触れなかった声だけが残る #短歌



まだ誰のものでもない部屋の隅 水を与えて明日を待ってる #短歌



呼び止める声を持たない明るさがわたしの影を先に連れてく #短歌



見上げれば同じ高さの空なのにわたしのほうが遠ざかってる #短歌



渡されたあとの静けさでわたしの内に満ちる輪郭 #短歌



白い皿 触れなかった理由ごと 醒めていくほど遠くなる顔 #短歌



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